フィリピンにまた「慰安婦像」 日本大使館が設置を確認

2017年12月12日、フィリピンのマニラ湾に面した遊歩道に建てられていた慰安婦像(吉村英輝撮影)
2017年12月12日、フィリピンのマニラ湾に面した遊歩道に建てられていた慰安婦像(吉村英輝撮影)

 【シンガポール=吉村英輝】在フィリピン日本大使館は31日、同国北部ルソン島中部のラグナ州サンペドロ市に、慰安婦を象徴するとする「少女像」が設置されたことを確認したと、産経新聞に明らかにした。

 同大使館は比政府に対して、慰安婦を象徴する像の設置は「日本政府の立場と相いれない」と説明したという。設置の経緯などについて問い合わせている。

 韓国の聯合ニュースによると、像の除幕式は12月28日に行われた。サンペドロ市長ら地元関係者や韓国・忠清北道堤川市の前市長の李根圭氏、像の作製者夫妻ら韓国側の代表団8人が出席した。サンペドロ市長が2017年9月、堤川市を訪問した際、「サンペドロ市側が設置を提案して推進された」としている。

 マニラの日本大使館が確認したところ、ソウルの日本大使館前などに設置された像と同じ形だった。ただ像の説明に、「日本や慰安婦などの表現は見当たらなかった」という。キリスト教系の施設がある公道に面しているが、像の設置場所が私有地かどうかなど詳細について確認している。

 フィリピンでは17年12月に、華人系団体などがマニラの遊歩道に、日本軍占領下(1942~45年)の慰安婦を象徴するという女性像を設置したが、日本政府が「遺憾」と表明し、2018年4月に撤去されている。

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