本紙ソウル支局長に出頭要請 ウェブ記事「大統領の名誉毀損」 韓国検察

 【ソウル=名村隆寛】韓国のソウル中央地検は8日、産経新聞ソウル支局の加藤達也支局長(48)に対し、12日に出頭するよう求めた。産経新聞のウェブサイトに掲載された記事が朴槿恵(パク・クネ)大統領の名誉を毀損(きそん)しているとする韓国の市民団体の告発を受け、事情を聴くという。

 問題とされる記事は、ウェブサイト「MSN産経ニュース」に3日掲載された加藤支局長による「【追跡~ソウル発】朴槿恵大統領が旅客船沈没当日、行方不明に…誰と会っていた?」。今年4月16日に起きた韓国旅客船沈没事故の当日、7時間にわたって朴大統領の姿が確認できなかったことをめぐり、その間の朴大統領の行動などで韓国国内で論議が高まっているという内容。

 記事は、韓国国会内での議論や韓国紙、朝鮮日報に掲載されたコラムなど、公開されている情報を中心に、それらを紹介するかたちで書かれている。

 ウェブサイトへの掲載後、産経新聞には、韓国大統領府からソウル支局に抗議があったほか、在日本韓国大使館から東京本社に「名誉毀損などにあたる」として記事削除の要請があった。産経新聞は記事の削除には応じなかった。

 小林毅・産経新聞東京編集局長「問題とされた記事は韓国国会でのやりとりや朝鮮日報コラムの紹介が中心であり、この記事を理由に名誉毀損容疑で出頭を求められるというのは理解に苦しむ」

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