政治家は言葉が命などといわれるが、毎週のように、ひそかに教養あふれる「ご講話」を披露している長老議員がいる。自民党の伊吹文明元衆院議長(79)。最高顧問を務める二階派の例会で、その時々に話題となっている時事ネタを憲法や日本の伝統文化といった大所高所の観点から、斬りまくっているのだ。
(※4月24日にアップした記事を再掲載しています)
自民党の二階俊博幹事長が会長を務める二階派(志帥会)の例会は、原則として毎週木曜日、東京・平河町にある砂防会館別館3階の派閥事務所で開かれ、冒頭の幹部のあいさつがマスコミに公開されている。司会を当選回数の浅い若手議員が務め、会長代行の河村建夫元官房長官、二階氏、会長代行の中曽根弘文元外相があいさつ、そして伊吹氏の講話-というのが基本的な流れだ。
以前は司会が「伊吹最高顧問からごあいさつを…」と促していたが、衆院議長を経て派閥に復帰した伊吹氏が「私はあいさつはしない。みなさん(派閥所属議員)に役に立つ講話する」と宣言して以降、「伊吹最高顧問からご講話をお願いいたします」とするのが慣例となった。
王者の風格を漂わせる格調高い言動で、議長時代から「イブキング」との称号をほしいままにしてきた伊吹氏。その舌鋒は、自由の身となった現在でも、誰かに対する遠慮などみじんもない。
例えば政界で「1強」といわれる安倍晋三首相にも容赦しない。