玉木氏、立・国合流で党名や減税逆提案も 枝野氏となお隔たり

立憲民主党との合流について記者団の質問に答える国民民主党・玉木雄一郎代表=16日午後、東京・永田町(春名中撮影)
立憲民主党との合流について記者団の質問に答える国民民主党・玉木雄一郎代表=16日午後、東京・永田町(春名中撮影)

 国民民主党の玉木雄一郎代表は16日の記者会見で、立憲民主党からの合流提案を「高く評価している」と述べ、交渉に前向きに応じる考えを示した。その上で、新党名は立民提案の「立憲民主党」ではなく「民主的手続きで決める」などと逆提案する文書をまとめ、立民に回答する方針を明らかにした。ただ、党名などについて立民の枝野幸男代表が応じるかは見通せず、隔たりは大きい。

 玉木氏は記者会見で、両党をいったん解党して新党を立ち上げるとした立民の提案について「枝野代表の決断に賛同する」と評価した。これまでも合流には「対等な立場」を条件としており、「対等性が非常に担保される」と述べた。

 一方で、玉木氏は、立民への回答文書で党名の選び方に加え、国民が掲げてきた消費税率の時限的な5%への減税や、憲法について「立憲主義を深化させ、未来志向の憲法論議を進める」との方針も記し、立民に賛同を求めるとした。

 党名については「新党がスタートするなら、投票など民主的な手続きを経て選ぶのがよい」と指摘。政策や理念に関し「経済政策と憲法の基本的考え方は新党を作る以上、一致点があるべきだ」と語った。これに立民が応じれば新党結成に合意するかとの質問に「もちろんだ」と明言した。

 国民は執行役員会で、今後の交渉について玉木氏らに一任。役員会では党名について「民主党」を推す意見が多数を占めたという。

 ただ、協議の行方は混沌(こんとん)としている。枝野氏は16日の記者会見で、「立憲主義」について「私自身の一貫したゆるぎない確信」「安倍自民党との明確な対立軸」などと主張し、「立憲」の名称の存続に強いこだわりを見せた。

 さらに消費税と憲法の逆提案は、ともに枝野氏が後ろ向きな姿勢を貫いてきた政策テーマであり、立民には「受け入れはとても無理だ」(中堅)との見方が広がる。玉木氏は逆提案の扱いについて「一任の中でやっている」とするが、国民の合流推進派は「玉木氏の独断だ。役員会ではそんな話は出ていない」と反発。これを受け、国民幹部は「玉木氏が『思い』を言っただけで、合流の条件ではない」と火消しに走った。

 立民と国民は17日、それぞれ衆参両院議員らによる懇談会を開き、合流について意見交換する予定だ。それぞれの党内から異論が噴出し、紛糾する可能性もある。(千葉倫之)

会員限定記事会員サービス詳細