最北のデパートが閉店 西武旭川店、地域に影響
更新 sty1609300021 北海道旭川市にある日本最北のデパート、西武旭川店が30日、閉店した。1975年、JR旭川駅前で開業し、街の顔として市民に親しまれてきたが、ショッピングモールとの競合などで売り上げが減少していた。建物の後継テナントは決まっておらず、地域の雇用や消費に影響しそうだ。
西武旭川店は、約2万4千平方メートルの売り場に約220店のテナントを抱えていた。2016年2月期の売上高は約105億円で、ピーク時の4割程度にとどまる。大手デパートそごう・西武を傘下に持つセブン&アイ・ホールディングスは、長引く業績不振を理由に閉店を決定。道内の百貨店事業から撤退する。
不況による消費落ち込みに加え、昨年3月には大型商業施設イオンモール旭川駅前店が開業。西武は、富良野地方や旭川市の旭山動物園を訪れる外国人観光客を引き寄せようと、地元商店街と連携して「免税手続一括カウンター」を昨年6月に設置した。しかし利用者数は伸びず、低価格の食品や雑貨目当ての外国人でにぎわうイオンに差をつけられた。
西武や市によると、入居テナントを含めた従業員約890人のうち、再雇用が決まったのは約4割。建物の後利用が決まらないことにも「空きビルの状態が続くと、市中心部の集客に大きな影響が出る」(旭川平和通商店街振興組合の大西勝一理事長)と不安の声が上がっている。