万里の長城、3割消失 600円でれんが販売も
更新 sty1507030009中国の世界文化遺産として知られる「万里の長城」の明代(1368~1644年)に築かれた城壁の約3割が、風化や窃盗などで消失していたことが分かった。中国メディアが3日までに伝えた。抜き取ったれんがを30元(約600円)で販売するケースもあり、対策強化を求める声が上がっている。
長城は別の時代に築かれた部分も含めると総延長は約2万1200キロ。報道によると「中国長城学会」が調査した結果、明代に築かれた約6260キロのうち、約1960キロが消失していた。管理が行き届いておらず、保存状態が比較的良好だったのは8%の約514キロにとどまった。
人為的な破壊も後を絶たない。河北省の村では長城のれんがで家屋を建築。村民は「れんが1個の市場価格は40~50元だが、実際は30元で買える」と話した。
同学会の董耀会副会長は「長城が偉大なのは『万里』だからだ。一部だけではなく、全体として保護すべきだ」と訴えている。(共同)