〈2015年10月、米ニューヨークの国連総会議場で行われた安全保障理事会の非常任理事国選挙に、自身を含め日本代表団全員が真っ赤なネクタイ、スカーフ姿で臨んだ。常任理事国入りを目指す日本にとって、落とせない選挙。11回目の選出を果たした〉
「日の丸」の赤を使うとインパクトがあると考え、注文しました。サウジアラビアが前年にナショナルカラーの緑を使ったアイデアを拝借しました。国連大使の仕事の一つは選挙で勝ち、発言権を確保すること。当選後の12月、新旧安保理の大使全員がホワイトハウスでオバマ大統領に会いました。オバマ氏との質疑応答はメモなしでよどみなく、改めて尊敬しました。私が北朝鮮対応を聞くと「習近平国家主席も米国と同じ考えだ」と答えていました。
〈大使在任中、北朝鮮問題は重要課題だった〉
普通、北朝鮮の外交官と接触することはないのですが、リ・ドンイル次席大使からは対北人権非難決議について2回ほど話しかけられました。ただ、北朝鮮メディアから私は呼び捨てで非難されたこともありました。「妄言」を吐いた、と。部下から「大使、これは勲章です」と言われました。