アップル、アプリ規定変更 公取委の調査終了と発表 開発業者の手数料回避容認

米アップルのアップストアのアイコン(AP=共同)
米アップルのアップストアのアイコン(AP=共同)

【ワシントン=塩原永久】米アップルは1日、書籍や動画などを閲覧、視聴するアプリで、アプリ開発業者が利用者に直接課金することを禁じた規定を緩和すると発表した。アップルに手数料を支払わないアプリ外課金への誘導を容認。アップルの15~30%の手数料に不満を持つ開発者に譲歩する。これを受けてアップルは、同社に競争阻害行為がないか調べていた日本の公正取引委員会と調査終結で合意したと表明した。

アップルは2022年に課金ルール緩和を反映した規約変更を全世界で行う。

対象はiPhone(アイフォーン)などで書籍や新聞、音楽、動画などコンテンツの利用時に使う「リーダー」と呼ばれるアプリ。従来は最大30%徴取されるアップルの課金システムを通じた決済しか容認しなかったが、開発業者がアプリにリンクを張り、利用者を直接課金が可能になる自社サイトへと誘導することを認めるという。

アップルをはじめ「GAFA(ガーファ)」と呼ばれる米巨大IT企業に対しては、アプリストアやオンライン通販などのプラットフォーム(基盤)を自社に有利に運営しているといった批判が根強い。アップルの規約変更は段階的に譲歩して、各国で進む規制強化を回避する狙いもあるとみられる。

アップルのアプリ課金システムをめぐっては、米国で人気ゲーム「フォートナイト」の開発元である米エピックゲームズがアップルを提訴するなど、反発が強まっていた。

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