作家・眉村卓さん死去 85歳 「ねらわれた学園」「妻に捧げた1778話」、本紙「朝晴れエッセー」選考委員も

朝晴れエッセー9月月間賞を選考する作家の眉村卓さん=10月2日、大阪市浪速区の産経新聞大阪本社(南雲都撮影)
朝晴れエッセー9月月間賞を選考する作家の眉村卓さん=10月2日、大阪市浪速区の産経新聞大阪本社(南雲都撮影)

 SF小説「ねらわれた学園」や短編集「妻に捧(ささ)げた1778話」などで知られる作家で、本紙朝刊1面の読者投稿「朝晴れエッセー」の選考委員を務める眉村卓(まゆむら・たく、本名・村上卓児=むらかみ・たくじ)さんが3日午前4時1分、誤嚥(ごえん)性肺炎のため大阪市内の病院で死去した。85歳だった。通夜は8日午後6時、葬儀・告別式は9日午後0時半、大阪市阿倍野区阿倍野筋4の19の115、やすらぎ天空館で。喪主は長女、知子(ともこ)さん。

 昭和9年、大阪市出身。大阪大学経済学部を卒業後、会社員として勤務する傍らSF同人誌「宇宙塵(じん)」に参加、36年に「下級アイデアマン」が「SFマガジン」の「空想科学小説コンテスト(現ハヤカワSFコンテスト)」に佳作入選し、デビュー。40年から専業作家となり、54年に「消滅の光輪」で泉鏡花文学賞と星雲賞を受賞した。

 SF作品にとどまらず、短編やエッセー、中学生向けのジュブナイル小説など多数の作品を発表。「なぞの転校生」「ねらわれた学園」はテレビドラマや映画にもなった。平成16年にはがんで闘病中だった妻にむけて書いた短編集を「妻に捧げた1778話」として出版。ベストセラーとなり、映画化もされた。

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