29年公示地価 住宅地3年ぶり上昇 入間IC付近工業地は全国一 埼玉

 国土交通省が21日に発表した平成29年公示地価(1月1日時点)によると、県内の平均価格は住宅地が0・1%、商業地が0・8%、工業地が2・3%上昇し、住宅地は3年ぶり、商業地と工業地は4年連続のプラスとなった。特に工業地は前年比1・1ポイント増で、都道府県別3位の上昇率。個別地点では、圏央道入間インターチェンジ(IC)付近の工業団地で、全国1位の上昇率10・3%を記録した。(菅野真沙美)

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 県土地水政策課によると、調査対象は計1301地点で、内訳は住宅地1033地点(1平方メートルの平均価格12万3400円)▽商業地221地点(同29万1300円)▽工業地44地点(同8万100円)。価格が上昇したのは436地点(前年356地点)、横ばいは468地点(同472地点)、下落は352地点(同330地点)だった。

 住宅地の最高価格は、さいたま市浦和区高砂2-2-6の88万円。同所はマンション用地の価格動向把握のために設置された新規地点のため、金額が突出して高くなった。変動率はさいたま市浦和区岸町3-1-19の4・0%上昇(41万6千円)が最高。商業地の最高地点は26年連続でさいたま市大宮区桜木町1丁目8番1の261万円で、6・5%の上昇率はさいたま市浦和区仲町1-6-1とともに県内最高の変動率だった。

 市区町村別では、平均価格は住宅地が(1)さいたま市浦和区30万2500円(2)同市中央区24万1300円(3)蕨市24万200円、商業地は(1)さいたま市大宮区86万7500円(2)川口市61万5200円(3)さいたま市南区53万9500円-の順。上昇率は住宅地が(1)同市浦和区2・0%(前年1位)(2)同市南区1・9%(3)同市大宮区1・7%、商業地は(1)同市浦和区3・9%(同1位)(2)同市大宮区3・3%(2)同市南区3・3%-だった。

 住宅地は都心への交通が便利な県南地域を中心に上昇し、特に駅徒歩圏の需要が堅調。県北、秩父地域は下落が続いているが、金融緩和やマイナス金利の影響で住宅が買いやすくなっていることから、下落幅は縮小した。商業地では浦和、大宮駅周辺での上昇が続いている他、再開発が予定されている川口、所沢駅周辺でも上昇している。

 工業地は全国1位となった入間市宮寺字宮ノ台4191番1外の他、東松山市大字新郷493番1外が8・5%で全国4位。調査を担当した山口和範氏は「27年10月の圏央道県内全線開通の効果が顕在化してきた。企業業績や雇用改善を受けて敷地拡張・増設の需要がある」と分析している。

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