「大平正芳記念館」が再出発 観音寺・琴禅公園内 地域振興の発信基地に

 いったん閉館した「大平正芳記念館」が、香川県観音寺市有明町の琴禅公園内の世界のコイン館2階に再び開館した。元首相の顕彰とともに、地域振興の発信基地として再出発した。

 大平正芳元首相(1910〜80年)は旧和田村出身。旧記念館は観音寺市坂本町の元選挙事務所の建物にあったが、老朽化などのため昨年3月、閉館した。再開を望む声が高まる中、地元の有志らが寄付金を集め、市も支援して再開にこぎつけた。

 新記念館は、生涯の足跡と業績▽故人をしのぶ遺品・記念品・著書・映像▽旧記念館の和室-の3つのコーナーで構成されている。旧記念館にあった重要文献類は国立国会図書館へ、9千冊を数える「大平文庫」は香川県立図書館へ移された。

 5日に行われた記念式典には、大平元首相の次男で記念財団の大平裕理事長や地元の有志らが出席。元首相とともに国交正常化に尽力した中国の周恩来元首相のめい、周秉宜(しゅう・へいぎ)さんが来賓としてあいさつし、「日中の国交が結ばれた当時を思い出した。両国の発展と永遠の友好関係が続くよう貢献していきたい」と述べた。

 記念館は市の第三セクターが運営。月曜休館(祝日の場合は火曜日)。入場料は高校生以上300円、小学生150円。

 問い合わせは同館(電)0875・23・0055。

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