民進党、幹事長に野田佳彦元首相起用で調整 旧民主党政権崩壊させた張本人 党内では「離党検討」と反発も

 民進党の蓮舫代表は16日午前、幹事長に野田佳彦前首相を起用する方向で最終調整に入った。党代表選で蓮舫氏を支えた細野豪志元環境相を代表代行に起用し、安住淳国対委員長は留任させる見通し。いずれも同日午後の両院議員総会で提案し、承認を得たい考えだ。

 蓮舫氏は15日夜、都内のホテルで野田氏と会談し、幹事長就任を要請したとみられる。蓮舫氏は15日夜のNHK番組で、幹事長人事について「私は参院議員なので、衆院をしっかり統括し、私に変わり(与党に)対峙(たいじ)してくれる方を考えている」と語っていた。

 蓮舫氏は、野田氏が率いる党内グループ「花斉会」に属している。蓮舫氏は、気脈の通じる元首相経験者を党の要に置くことで重みのある党運営を実現し、与党との政策論争なども有利に進める狙いがありそうだ。

 ただし、野田氏は首相時代の平成24年、消費税率引き上げをめぐって党の分裂を招き、旧民主党政権を崩壊させた張本人でもある。党内では「野田氏が幹事長になるなら離党も検討する」(中堅)と反発も残っており、実際の党運営が円滑に進むかは不透明だ。

 野田氏は平成5年に衆院旧千葉1区から出馬し初当選。旧民主党政権で財務相を務めた後、平成23年9月に首相に就任。24年には、自民、公明両党と消費増税をめぐる「3党合意」を実現し、尖閣諸島(沖縄県石垣市)の国有化も進めた。

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