南スーダン停戦命令 大統領派、副大統領派ともに

 【カイロ=大内清、ワシントン=加納宏幸】大規模な武力衝突が発生した南スーダンのマシャール第1副大統領は11日、配下の元反政府勢力兵士らに戦闘を停止するよう命じた。対立するキール大統領もこれに先だって大統領派兵士に戦闘停止を指示。現地で活動する国連南スーダン派遣団(UNMISS)関係者によると、首都ジュバでは12日午前時点で大きな衝突は発生していない。

 ただ、戦闘再開を恐れて国連平和維持活動(PKO)施設に避難する住民はジュバの2カ所で7千人を超えており、予断は許さない状況が続いている。

 治安状況の悪化を受け、米国務省のカービー報道官は11日、米大使館員ら現地要員の規模を縮小すると発表。大使らは残り、米国民保護などの活動を続ける。

 10日から11日にかけ、PKO施設に隣接する避難民キャンプ周辺でも戦闘が起き、UNMISSによると、8人が死亡した。中国外務省は、警戒中の中国派遣部隊が攻撃を受け、2人が死亡したとしている。

 キール氏は10日夕、2015年に周辺国などの仲介で結んだ和平合意を尊重するとして、自派兵士に即時の戦闘停止を命令した。これを受けてマシャール氏も戦闘停止を表明した。

 南スーダンの主要民族ディンカ人のキール氏派とヌエル人のマシャール氏派の対立は13年夏に内戦状態に発展。今年4月には15年の和平合意を受けて両氏が権力を分け合う統一政府が発足したが、緊張が続いていた。

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