大学から付属病院切り離し 政府検討、岡山大病院など別法人化

 大学から付属病院を切り離し、別法人化することを認める規制緩和を政府が検討していることが10日、分かった。第1号として、岡山大病院など岡山市内の6医療機関が統合し、持ち株会社型の新医療法人を全国で初めて発足させる方針。政府の産業競争力会議が11日に開く点検会合で公表する。

 会合で岡山大などは、9月成立の改正医療法で創設された、複数の医療機関を一体運営する「地域医療連携推進法人」への参画と、付属病院の別法人化を目指す方針を報告する。

 地域医療連携推進法人は、良質で適切な医療の提供を目指して連携する法人を、都道府県知事が認定する仕組み。病床の過不足を調整したり、資金の足りない施設に融通したりする。各医療機関でカルテを共有するため、患者側も重複診療を避けられるなどのメリットがある。

 ただ、地域医療連携推進法人は「非営利法人」が参画要件となっている。国の大学設置基準で大学からの分離を禁じられている付属病院は、現行制度での参画が困難だった。早ければ平成28年度にも、医学部に付属病院の設置を義務付けた文部科学省令を改正し、新医療法人への再編を可能にする。

 安倍晋三政権は医療分野の効率化を成長戦略の柱の一つと位置づける。政府は、岡山をモデルに有力な大学病院を抱える全国の他の地域にも広げる構想だ。

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