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本人も驚き? 上半期テレビ番組出演数トップの新井恵理那がたどり着いた“自然体”
「ミスコン」で芸能界を意識 大学卒業後フリーアナウンサーに
新井恵理那最初聞いたときは信じられなかったです。未だに実感は湧いていないんですが(笑)。平日毎朝の生放送、プラスαで出演させていただいているのが大きかったのかなと思います。ビックリはしていますが、「たしかに頑張ってたよね」って、自分を認めてあげたい気持ちでもいます。
――新井さんがそもそも芸能界入りを考えたのは、大学時代「ミス青山」に選ばれたタイミングなんですよね。
新井恵理那そうですね。「ミス青山」に大学2年生の時になって、そのあと、人から「局アナウンサーを受けないの?」と勧められて、徐々にこの業界を意識し始めました。その後紆余曲折あり、セント・フォース(※現在の所属事務所)に入ることになって、フリーアナウンサーとしてはもう9年目になりますね。
――高校時代は全国強豪の「弓道部」の主将だったんですよね。その10年後にアナウンサーとしてバリバリと働いているというのは……。
新井恵理那予想もできないですよね。ミスコンの時から今の環境に至るまで、誰かの導きによるものが大きくて、節目節目では頑張っていましたが、流れに身を任せていたらこうなっていたという気も。
「(ビート)たけしさんからは、どの方向から話を振られるかわからないので、答えを用意しない(笑)」
新井恵理那「手を抜かないこと」と「自分にも他人にも素直にいること」ですかね。いまの仕事を始めたころは、月に一回稼働があればいいってくらいで、知名度もないし、発言も大して注目してもらえない。「ハンデがあるな」って感じていると、そもそも発言すること自体に萎縮しちゃうんです。でも、人の目に触れなかったら、次に進むには本当に難しくなるなと。今やってることを精一杯見せれば誰かが見てくれるし、一つの仕事にまじめに向き合おうという気持ちでやってましたね。
――最初からはうまくいかなかったと。
新井恵理那あれこれ考えすぎちゃって自分を苦しめていました。バラエティでも情報番組でも、出演した日は家に帰って、「あそこはこう言えばよかった」とか、ずっとうだうだ悩んで、悔し涙を流して……まあ寝たら治まるんですけどね(笑)。でも当時は「苦しい」という感情が毎日のようにありました。
――どのタイミングでブレイクスルーしたと感じていますか。
新井恵理那グルメリポートなり、エンタメのニュースを読むなり、いろいろなお仕事を経験していく中で、突然「パッ」と視界がひらける瞬間があったんです。余計な心配とか、「こう喋ろう」と前もって計画を練らなくても、自然に力を抜いてできている自分がいるなって。でも、それを自覚できたのは比較的最近のことです。
――朝のニュースもそうですし、『新・情報7daysニュースキャスター』では、お天気キャスターとしてビートたけしさんと絡むこともありますし、「瞬発力」を求められる仕事の経験を積んできたのも大きいのでは。
新井恵理那たけしさんは、どの方向から話を振られるかわからないので、答えを用意しないようになりましたね(笑)。緊張する現場で場数を踏ませてもらえたからこそ、いま自由になれたような気がしています。
――いつ見ても落ち着いた喋りなので、過度に緊張するタイプには見えないですが……。
新井恵理那いえいえ、すごく“緊張しい”なんです。テレビに出はじめたころは、汗で手のひらがビショビショで、膝を震わせながら原稿を読んでいました(苦笑)。それも出演経験が増えてきたこと、共演の方を「親しみやすい先輩」と思って接していくことで徐々に克服してきました。
土田晃之と劇団ひとりからは、“迷アナウンサー”といじられる
新井恵理那番組でも共演している所(ジョージ)さんですかね。初めてお会いする方ってだいたい緊張するんですが、所さんは「あっ、所さん」っていう感じで、“優しい近所のおじさま”のような親しみやすさ。あれだけ有名なのに、テレビとのギャップがないのが素敵です。私もちょうどこの前、久しぶりに会った友達に「いつもテレビで見てるから何も思わない」と言われて、「ちょっとは再会に感動して!」とは思いましたけど(笑)、お茶の間に浸透しているんだなと嬉しい気持ちになりました。
――でも新井さんのブログを見ていると、芸人の「ひょっこりはん」に仮装した写真や、家族とのランチの様子を載せるなど一貫して「自然体」で、所さんのような親近感があるなあとは思います。
新井恵理那自分のことを美化しても粗が目立つだけですから、普段から取り繕わないようにしています。土田晃之さんと劇団ひとりさんからは、「迷う」という字の“迷アナウンサー”と呼ばれていますが(笑)。
――普段周囲からはどんなキャラクターだと言われることが多いんですか?
新井恵理那「不思議」とか「天然」はよく言われますね。親しい友達からは「変わってるよね」とか。でも、「どういうところが?」って聞き返すと、「どこがっていうのはちょっとわからない」って言われて……いまだに自分も周りもよくわかってないみたいです(笑)。でも、そうした“よくわからないキャラ”を、共演者の方たちが面白がって、番組で引き出してくれるのは本当に幸運なことだなと思います。
――今後、どんなキャリアを見据えていますか。
新井恵理那「目標を立てる生き方をしたくないな」って思っているんです。というのも、以前はやりたいことも目標も抱けてなくて、周りに対して後ろめたく、申し訳ない気持ちになっていました。でも、ここまでの番組に出演できて、街でも声をかけられ認知されている実感もあって、今の状況にすごく満足できている自分がいるんです。それなら、無理して考えなくてもいいんじゃないかと。
――知名度が上がったからこそ、できることの選択肢も増えそうですね。それこそこれまで経験してきた弓道とか、オリンピックに向けてマイナーな競技を広めていく役割なども……。
新井恵理那ここがゴールじゃないんだろうなっていうのは感じています。弓道もそうですが、今後自分の好きな事の認知度を高める手伝いができたらなあと。そう考えると、この先の未来にワクワクしますね。
(取材・文/東田俊介 写真/飯本貴子)
Information
『八方美人』
定価:本体1300円+税
発売日:2019年8月23日
https://tkj.jp/book/?cd=TD296610