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2003年07月05日 10:00

行政 : NPO商標問題で協力呼びかけ

 (株)角川ホールディングス(旧角川書店)が、雑誌・新聞の分野で「NPO」という語を商標登録した件で、現在、シーズを含む5つのNP0団体が特許庁に対して異議申立をおこなう準備を進めている。7月4日、5団体は、弁護士を通じて、全国のNPOに対し、題号に「NPO」の文字を含んでいる定期刊行物があれば提供してくれるよう呼びかけを発信した。特許庁に対して、異議申立理由の証拠として提出するのが目的。

 

 2002年1月18日に、(株)角川書店(本年4月からは (株)角川ホールディングス、以下「角川」)は、雑誌・新聞についての商標として「NPO」を出願した。その後、特許庁が審査をした結果、2003年4月25日に登録され、5月27日には商標掲載公報に掲載され、商標権が正式に角川に発生した。

 角川が「NPO」を商標登録したことで、「NPO」という語を題号にした雑誌や新聞を発行すると商標権侵害に当たる可能性が出てきた。これに対して、NPO側は、NPO活動の根幹にある定期刊行物の題号に「NPO」の語を使うことが制限される可能性のある商標登録であると反発している。

 この商標登録の問題について、大阪NPOセンター、大阪ボランティア協会、関西国際交流団体協議会、シーズ=市民活動を支える制度をつくる会、市民活動情報センターの5団体は、現在、特許庁に対して異議申立をおこなう準備を進めている。

 この異議申立のために、7月4日、5団体は、弁護士を通じて、全国のNPOに対して、題号に「NPO」の文字を含んでいる定期刊行物の提供をお願いするメールを発信した。

 今回、提供を依頼している資料は、雑誌、新聞または、機関紙、情報誌、ニューズレターなどの定期刊行物で、その題号に「NPO」の文字を含むもの。かつ、2002年1月18日(角川の商標登録出願日)以前から継続的に発行しているもの。有料無料は問わない。

 上記の資料を集める目的は、角川による2002年1月18日の商標登録出願以前から、NPOの語を題号に含む雑誌・新聞・機関紙・情報誌・ニューズレターなどが数多く出され、市民活動において重要な役割を担っていること、今回の商標登録でこれらの情報発信に制約が生じる可能性があること、などを根拠付け、登録異議申立の理由を補足していくため。

 この件に関する問合せ先は、大阪NPOセンターまで。
 tel: 06-6460-0268 fax: 06-6460-0269
 E-mail: osakanpo@onp.or.jp

 7月4日に発信された依頼書本文(経過報告書を含む)は下記のとおり。

2003.07.04

「NPO」の商標登録異議申立のための
証拠収集へのご協力のお願い

弁護士 三木秀夫

 先般、一企業が「NPO」を雑誌・新聞の分野において商標登録を出願し、特許庁がこれを認めたことをご報告し、これに対して特許庁への異議申立等をすべきではないかとのご連絡をさせて頂きました。これについては、非常に強い関心を持っていただき、全国津々浦々から極めて多数のご賛同および貴重なご意見を頂きましたこと、誠にありがとうございます。

 このたび、その際にメール等で賛同を頂いた方々に、先日、その後の経過報告をさせて頂きました。

 その報告の中にも説明をさせて頂いていますが、2ヶ月以内に特許庁への異議申立をすべく準備中でありますが、その際に提出する「証拠」に関し、皆様に下記のとおりのご協力をお願い致したく存じます。


下記の要件に当たる雑誌・新聞等の定期刊行物を発行しておられる方か、それに関係している方への、資料提供のお願い

1 次のすべての要件に合致するものを探しています

  1. 雑誌、新聞または、機関紙、情報誌、ニューズレターなどの情報発信媒体(有償無償を問いません)
  2. 定期刊行のものであること(日刊、週刊、月刊、旬刊、年刊など)
  3. その題号に「NPO」の文字を含んでいること。
    (「月刊○○NPO」などのように、その媒体を表示するものとして毎回使用するものに限り、特集号などで、単発にNPOを含んだサブタイトルを付けた場合などは対象外です)。

  4. 2002年1月18日(商標登録出願日)以前から継続的に発行しているもの。

2 お願いしたいこと

(1) 上記に該当する刊行物について、下記のものを、お送りください。

  現時点での最新分1冊。
  発刊物につき、2003年1月から4月ころの間に発刊したもののうちの1冊(可能なら3月発刊分)。(登録査定時のもの)
  2001年内に発刊されたもの1冊。(複数ある場合は、時期的に新しいもの)(登録出願直前のもの)
  当該刊行物の最も古いものか、それに近いもの1冊(初版がベスト)

(2) 上記は、できましたら現物をお送り頂くのが幸いですが、現物が不可能でしたら、「題号の入っている表紙部分」と、「発行者・発行年月日の入った個所」のコピーを代わりに送っていただいても結構です。

(3) 送っていただくのは、(1) のイロハニ全部があればベストですが、無理な場合は、あるだけでも結構です。

 もし、最初の発刊日のものが送付不可能でしたら、「最初の発刊年月日」をメモしてお教えくださいますよう、お願いします。

(4) 送付いただく際に、下記の内容をメモでお教えください。

  刊行物が有償で頒布されるものか、無償で頒布されるものか
  頒布の対象が会員に限定されるか否か
  無償頒布であっても会員から別途会費等を徴収しているか否か
  年間発行回数

(5) 送付先・問い合わせ先

大阪NPOセンター

 〒553-0006 大阪市福島区吉野4-29-20大阪NPOプラザ201号
 tel: 06-6460-0268 fax: 06-6460-0269
 E-mail: osakanpo@onp.or.jp

(送付の封筒の表紙に「商標の件」とお書きください)

(6) 送付費用は、誠に申し訳ございませんが、ご負担を頂きますよう、ご協力をお願いいたします。

(7) 送付の際には、こちらから確認をさせていただく場合のために、送付者名、担当者名、連絡先、電話、メールアドレスなどが分かるように記載して頂きますよう、お願いいたします。なお、お送りいただいた場合に、その都度、着いた旨のご連絡は致しませんが、ご了承のほどお願いいたします。

(8) お送り頂いたものは、特段の事情がある場合は除き、お返しを致しませんので、何とぞご理解をお願いいたします。

(9) 期限

 第一次期限 2003年7月15日
 (できる限りこの日までにお願いします)
 第二次期限 2003年7月31日(最終期限)

3 補足説明

 上記の資料を必要とする理由は、今回の角川による2002年1月18日の商標登録出願以前から、NPOの語を題号に含む雑誌・新聞・機関紙・情報誌・ニューズレターなどの情報発信媒体が数多く出され、その活動において重要な役割を担っていること、今回の商標登録でこれらの情報発信媒体が、その使用に制約が生じうる可能性があること、などを根拠付け、登録異議申立の理由を補足していきたいと考えているためです。

 このお願いは、これら情報媒体の発信者等を念頭にするものではありますが、この方々に限らず、これに関する情報等がありましたら、お寄せくだされば幸いです。


参考

(以下 2003.06.30賛同者への報告書)
(FAXで頂いた方々の多くに、番号が書かれていないため送付し得ていない方もあります)。

「NPO」の商標登録に対する取り組みの経過と
その後の対応について

特定非営利活動法人大阪NPOセンター事務局長   山田裕子
社会福祉法人大阪ボランティア協会事務局長   早瀬 昇
特定非営利活動法人関西国際交流団体協議会事務局長   有田典代
シーズ=市民活動を支える制度をつくる会事務局長   松原 明
特定非営利活動法人市民活動情報センター代表理事   今瀬政司
上記代理人 弁護士   三木秀夫

 先般、一企業が「NPO」を雑誌・新聞の分野において商標登録を出願し、特許庁がこれを認めたことをご報告し、これに対して特許庁への異議申立等をすべきではないかとのご連絡をさせて頂きました。これについては、非常に強い関心を持っていただき、全国津々浦々から極めて多数のご賛同および貴重なご意見を頂きましたこと、誠にありがとうございます。

 ご賛同の意見をお寄せいただいた皆さまに対しまして、新たに判明したことの整理も含め、その後の経過についてご報告を申し上げます。なお、上記作業を私たちとともに担っていただいている特定非営利活動法人市民活動情報センターの今瀬政司代表理事にも、本書発信人に加わっていただきました。

1 現在判明の事実関係について

 2002年1月18日に、株式会社角川書店(本年4月からは株式会社角川ホールディングス、以下「角川」と言います)は、雑誌・新聞(国際分類第8番16)についての商標として「NPO」を出願し、その後、特許庁は審査をした結果、2003年4月25日に登録され、5月27日には公報に掲載されました。その結果、商標権が、正式に角川に発生いたしました。

出願日 :2002年1月18日
登録料納付 :2003年4月2日
登録日 :2003年4月25日
商標公報掲載日 :2003年5月27日
商標登録番号 :第4665822号
登録商標(標準文字) :NPO
区分 :第16類
指定商品 :雑誌,新聞
商標権者 :株式会社角川ホールディングス

 なお、角川は「ボランティア」についても、同じ時期に申立を行い、商標登録第4665823号として、2003年4月25日に登録完了しています。

2 商標の効力について

 これにより、角川は、雑誌・新聞について「NPO」の商標権を主張することができます。つまり、角川以外の者が、「NPO」と「同一又は類似の範囲内で」雑誌・新聞の名称等において使用等の行為をすると権利侵害となり、角川は侵害者に対して侵害行為の差し止め、損害賠償等の請求をすることが可能になります。

 この商標登録については、本年6月3日に発信した最初のお知らせの中で、雑誌などの名称としての「NPO」を登録した場合、「NPO」の文字を含む題号の雑誌などが、角川の承諾がなければ全て発行できなくなるとの表現でしたが、正確には上記の通りです。

 このように、商標権利者の意図や姿勢にかかわらず、極めて包括的な概念である「NPO」を特許庁が雑誌・新聞の商標として認めたことで、あらゆる団体・機関が自由に情報発信がしにくくなる懸念があります。

3 特許庁の判断についての問題点

 その後、特許庁の判断の誤りの理論的根拠について、さらに検討を重ねていますが、現時点での私どもの考えは次のような概要であります。

  1. まず、「NPO」なる言葉は、社会のあらゆる分野で急速に浸透し、特に1995年の阪神淡路大震災以降に盛り上がったNPO支援の運動や、1998年に特定非営利活動促進法(NPO法)が国会で成立したこともあって、いまや教科書や大学入試にも用いられるなど、ひろく一般市民の日常用語として普及しております。このため、新聞・雑誌を取り扱う業界においても、「NPO」の語は、非営利組織(nonprofit organization の略称)を表示するものとして、極めて普通に使用されている事実があります。
     このことから、標準文字による普通の態様である本件登録商標は、「NPO」の1語のみからなるので、本件登録商標をその指定商品「雑誌・新聞」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に商品の品質(NPOに関する内容を含む)を表示したものと認識するに止まりますから、当該文字は自他識別標識としての機能を果たし得ないものというべきであり、かつ、NPOに関する内容を全く含まない場合には、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあります。つまり、本件登録商標は商標法第3条第1項第3号及び第4条第1項第16号に該当し、商標登録を受けることができないものであると考えます。

  2. また、「NPO」なる語は、特定非営利活動促進法の制定に伴い頻繁に報道され、その際同法により設立された特定非営利活動法人を「NPO法人」あるいは単に「NPO」と言うことが一般的になっています。特定非営利活動法人は公益に関する団体で営利を目的としないものであることから、本件登録商標は、「公益に関する団体であって営利を目的としないものを表示する標章であって著名なものと同一の商標」であり、本件登録商標は商標法第4条第1項第6号に該当し、商標登録を受けることができないものであると解する余地もあるのではないかと考えます。
  3. さらに、本件登録商標の商標権者以外は、原則として、本件登録商標「NPO」と同一又は類似の商標を指定商品「雑誌・新聞」と同一又は類似の商品・役務に使用することが禁止されることになります。もっとも、特許庁の内部基準として「雑誌・新聞等の定期刊行物の題号は、原則として、自他商品と識別力があるものとする」との運用基準があり、今回はこの基準を機械的に適用して商標登録を許可したものと考えられます。実際、従来の雑誌・新聞の商標登録の事例をふまえると「NPOマガジン」「NPO通信」などは別の商標として認められる可能性もあると予想されます。
     しかし、これも従来の雑誌・新聞の商標登録の事例をふまえると「週刊NPO」「NPOウィークリー」などは商標登録された「NPO」の発行形態を示したものでしかなく、「NPO」の商標権に抵触すると判断される可能性があると予想されます。さらに、他の事例も検討しますと、一般の市民には商標権に抵触するかどうか判断できないものが多いことがわかります。
     そうなると、事実上、雑誌・新聞の題号に「NPO」を自由に含めることはできないなど、NPOに関連する活動は、本件登録商標の商標権による制約を受けることが大いに危惧されます。
     言うまでもなく、NPOの活動をますます発展させていくことは、民主主義社会の発展にとっては不可欠なものと解され、その場合に重要となる刊行物の定期発行等という形での表現手段が無くてはならないものであります。このことは、「特定非営利活動を行う団体に法人格を付与すること等により、ボランティア活動をはじめとする市民が行う自由な社会貢献活動としての特定非営利活動の健全な発展を促進し、もって公益の増進に寄与する」という特定非営利活動促進法第1条の目的に反するものとも言えます。
     この点について、角川は新聞報道ではNPO等の発行するものについては権利行使をしない旨を述べたようですが、権利者の存在していることにより、大なり小なり、NPOの活動に影響を受けること自体が問題と考えます。
     つまり、本件登録商標は、その独占により、社会公共の利益に反し、または社会の一般的道徳観念に反するので、商標法第4条1項第7号に該当し、商標登録を受けることができないものであると考えます。

4 現在の対応(異議の申立)

 「NPO」を雑誌・新聞の名称として商標登録された旨の商標掲載公報が5月27日に発行されており、異議申立期間である2ヶ月以内に特許庁に対し異議申立をする必要があります。異議申立にあたっては、複数の弁護士、弁理士などの協力をあおぎ、異議申立の書面を作成していきたいと考えています。

 この点は非常に高度な理論面での検討を要することなどから、慎重に行っています。

 この場合の理論的な骨子は、上記の点が要旨になる予定ですので、皆様からのご意見などがあればお寄せくだされば幸いです。

 なお、申立にあたっては、各団体の機関決定の確認や委任状の収集等に時間がかかり、申立期限を徒過してしまうことを防ぐため、正式な申立人は数団体に絞りたいとも考えています。

 そして、異議申立後において、当該申立内容に賛同して頂く方々を再度正式に求めさせて頂き、その方々の団体名等を特許庁に追加書面としてお届けしたいと考えています。

5 独自に異議申立を検討されたい方へのご案内

 上記のとおり、私どもにおいて皆様のご意見を集めながら、特許庁への異議申立を準備中でありますが、異議の申立は2ヶ月以内なら誰もがすることが可能です。従いまして、独自に直接に異議申立をしたいとご希望される団体もしくは個人の方のために、その方式や出し方等について、下記の特許庁のホームページ中にある登録異議の申立に対するガイドラインを参照ください。(直接に申立はされないにしても、異議申立手続に関心をお持ちの方も是非お読みください。)

 http://www.jpo.go.jp/shiryou/kijun/kijun2/att00003.htm

 なお、提出される場合は、特許印紙(11,000円分)の貼付けが必要となります。特許印紙は主な郵便局で入手できます。

 直接にお出しになった場合は、できましたら一報を頂ければ幸いです。

6 本件の問い合わせ先

 三木秀夫法律事務所 mikky@lawyers.or.jp


<追加補足説明>
2003年6月6日に、角川の本件の商標問題担当者に電話をかけ、交渉の打診をいたしましたが、基本的な角川の姿勢は「商標法の通りに対応する」との回答だけで、交渉に前向きな姿勢が無かったことから、協議の結果、これ以上の交渉は持たず、特許庁への異議申立をすることとしました。


<情報>※ なお、同様に「ボランティア」についても雑誌・新聞の分野で商標登録が出願され特許庁が認めましたが、この件に対しては、大阪ボランティア協会などで、異議申立をする動きがあり、同時に資料収集の準備を進めています(この件については、別途同協会などから発信がなされる予定です)。

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