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謎を呼ぶビール瓶次々 戦時中、極秘レーダー基地 長崎の普賢岳山頂に

 ●1900年代前半か 「DAINIPPON」の刻印

 長崎県雲仙市の雲仙・普賢岳(1359メートル)の山頂付近で、地面の土中から空のビール瓶が相次いで見つかっている。刻印などから1900年代前半に製造された瓶とみられる。山頂付近には太平洋戦争中に陸軍の「電探(レーダー)基地」があったことから、当時の隊員が飲んだ形跡ではないか、などと謎を呼んでいる。

 出土する瓶には「DAINIPPON BREWERY」と刻印がある。日本では1906年、札幌麦酒、日本麦酒、大阪麦酒の3社の合併でシェア7割を誇る「大日本麦酒」が発足し、49年に分割された。うち1社を引き継ぐサッポロビール(東京)に瓶の写真を送って確認を依頼したところ、「大日本麦酒の瓶で間違いない」という。

 雲仙お山の情報館(雲仙市)によると、普賢岳の山頂付近にあったレーダー基地は極秘に設置され、当時は一般人の登山が禁じられたため、関連資料があまり残っていないという。約100人が駐留していたという。

 「一般の登山者がビール瓶を荷物に入れて登ることは考えにくい」(情報館)こともあり、戦時中の基地隊員が飲んだ跡である可能性が高まっている。九州大地震火山観測研究センター(島原市)の松島健准教授は2012年4月以降、断続的に瓶の存在を確認しており、貴重な資料として情報館で展示する構想もあるという。

この記事は2017年01月14日付で、内容は当時のものです。

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