トヨタ、顧客同意なく個人情報取得 3300人分のID発行
トヨタ自動車は19日、顧客の同意なく個人情報を取得し、自社のウェブサービスのIDを発行していたと発表した。取得していたのは3318人分の名前や住所、車両などの情報。9社の販売会社が顧客の同意を得ずに登録し、トヨタに提供していた。トヨタは外部への情報流出はなかったとし、登録情報を削除して顧客へ経緯を説明するとしている。
「TOYOTA/LEXUS 共通ID」は車の通信機能を使った車両状況の確認サービスや、ウェブサイトでのキャンペーン申し込みに利用できる。販売店では車両の購入契約時にIDサービスを顧客に紹介している。顧客が同サービスを利用したいという意向を示した場合、通常であれば個人情報登録の同意を得ている。
3月に販売会社の福岡トヨペット(福岡市)の社員が顧客の登録情報を不審に思い調査したことから発覚した。福岡トヨペットや神戸トヨペット(神戸市)など計9社で、3318人分の情報が同意を得ず登録されていたことがトヨタの調査で判明した。車両の購入契約時に必要な顧客情報を流用して登録したことがあったとみられる。
個人情報はトヨタ社内のサーバーに保管されており、削除を進めている。説明の上で同意が得られた顧客の情報は、適切に利用していくとしている。
トヨタによると販売店にID取得数のノルマは課していなかったが、評価指標として奨励していた。「個人情報の取り扱いの意識向上と再発防止について、販売店と連携して取り組んでいく」(トヨタ)としている。
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