電子部品大手の米モレックス、複合企業に身売り 7200億円で
【NQNニューヨーク=川内資子】米電子部品大手のモレックスは9日、米大手複合企業コーク・インダストリーズ(カンザス州)に総額72億ドル(約7200億円)で身売りすると発表した。モレックスはコネクターの大手で米アップルへの供給元として知られる。コークは今回の買収を通じ、電子部品事業に参入する。
コークは1株あたり38.50ドルの現金でモレックスの全株式を買い取る。モレックス普通株の6日終値を約31%上回る水準だ。コークの子会社となった後もモレックスの現経営陣は続投し、社名や本社も変更しない。モレックスの大株主であるクレービール家と経営陣も身売りに賛同した。高い買収条件の提示を受け、身売りに応じるのが株主価値の最大化につながると判断したとみられる。
1938年設立で米イリノイ州に本社を置くモレックスは日本を含む15カ国に3万5000人超の従業員を抱える。2013年6月期通期の売上高は36億ドルだった。コークは石油や化学関連を中心に多様な事業を展開する非上場企業。