中国海軍、インド洋に足場 セーシェルと協力
【北京=島田学】中国国防省は12日、インド洋のセーシェルと中国海軍艦隊への補給や港湾利用などで協力していく方針を明らかにした。アフリカ・ソマリア沖で海賊取り締まりにあたる中国艦隊への協力が名目だが、中国側にはインド洋で影響力拡大を争うインドへのけん制を一段と強める狙いもある。南シナ海に続く中国の積極的な海洋進出は、米国などのさらなる反発を呼びそうだ。
中国の国営新華社によると、国防省は「中国はセーシェルやその他の国に寄港して補給することなどを検討中だ」としている。中国艦隊への補給では、すでにイエメンやオマーン、ジブチなどが協力している。
中国にとってインド洋は中東からの石油の重要な補給路に当たる。中国軍もインド洋での一定の影響力確保が今後の国内産業の発展を左右するとみて重視している。近年、中国軍がセーシェルやパキスタンなどに初の海外軍事拠点を建設するとの憶測が絶えない。
実際、セーシェルは中国側に再三、軍事拠点の誘致を打診している。中国国防省はセーシェルでの軍事拠点建設の可能性について「状況はよく理解している」と否定しない。今回の両国の補給協力が、将来的な中国軍初の海外拠点建設の第一歩となる可能性もある。