文鮮明氏が死去 統一教会の創始者
【ソウル=共同】大規模な合同結婚式を主宰し、世界各国の首脳と会談するなどの活動で知られる世界基督教統一神霊協会(統一教会)の創始者、文鮮明氏が3日、肺炎などの合併症のため、韓国京畿道加平郡の病院で死去した。92歳だった。統一教会関係者が明らかにした。
文氏は7月、統一教会グループが主催した韓国のサッカー大会で開会宣言をするなど活動を続けていたが、8月初めに健康状態が悪化しソウル市内の病院に一時入院。退院後の14日に再び症状が悪化して入院し、危篤状態となり、31日に同グループ系の加平郡の病院に移送された。
1920年、現在の北朝鮮の平安北道定州出身。43年、早稲田大を卒業。54年、統一教会を創設して教主に就任、日米欧など世界各国に支部を設立した。63年、リトルエンゼルス舞踏団創設。68年、国際勝共連合総裁。
90年4月、旧ソ連を訪問し、当時のゴルバチョフ大統領と会談。91年11月末には訪朝。北朝鮮の故金日成主席と会談し、離散家族捜索事業の推進や統一教会グループによる北朝鮮での経済事業支援などで合意した。
一方、日本で、霊感商法で高価なつぼや印鑑を買わされたなどとする被害が続出、合同結婚式での結婚は無効だとする訴えが相次ぐなど、統一教会の活動が社会的に物議をかもした。