長崎のグループホーム火災、死者4人に
8日午後7時40分ごろ、長崎市東山手町のグループホーム「ベルハウス東山手」1階から出火、同階の約50平方メートルを焼いた。市消防局などによると、入居者ら男女12人が搬送され、うち女性4人が死亡。ほかに男女2人が重体、残る6人が重軽症という。長崎県警大浦署と消防は出火原因を詳しく調べる。
大浦署によると、死亡者のうち3人はアダチ・キサノさん、ナカシマ・チヨコさん、オオタ・サワエさんという。
長崎市福祉総務課によると、ベルハウス東山手は市が2006年4月、介護保険法に基づき認知症グループホームに指定し、認知症の患者も入居していた。定員は9人で、高齢者らが介護を受けながら共同生活を送っていた。
昨年8月の長崎市の調査ではスプリンクラーは設置されていなかった。この施設の規模では消防法に基づく設置義務はないが、市は設置を勧めていたという。
大浦署によると、同施設には出火当時、入居者と管理人、職員がいた。建物は地下1階、地上3階建ての鉄筋コンクリート造りで、延べ床面積は約530平方メートル。入居者は地下と地上1、2階部分に住んでいたとみられる。搬送されたのは56~101歳。入居者が暮らす1階の2部屋が激しく燃えており、同署はうち1部屋が火元とみている。
通行人が「煙が見える」と119番した。現場はJR長崎駅の南約2キロで、観光名所「グラバー園」やオランダ坂に近く住宅などが密集した地域。
総務省消防庁は原因を調査するため、9日に職員ら計7人を施設に派遣することを決めた。
高齢者が入居する施設の火災では、10年3月、札幌市の認知症高齢者向けグループホームで火災が発生、男女7人が死亡した。09年3月には群馬県渋川市の「静養ホームたまゆら」の火災で50~80代(当時)の10人が死亡。06年1月に長崎県大村市の認知症高齢者向けグループホームで起きた火災でも7人が死亡した。〔共同〕