京王観光に1・8億円請求 不正乗車でJR6社
京王電鉄の子会社「京王観光」が取り扱う団体旅行でJRの乗車料金を支払わない不正が繰り返された問題で、JR旅客6社が京王観光に対し、19日付で計約1億8千万円の賠償請求をしたことが分かった。JR各社が24日、明らかにした。京王観光との乗車券の委託販売契約も解除した。
JR各社によると、京王観光と各社で確認作業を進めた結果、不正金額は計約6千万円だったと判明。各社ごとの被害額は「回答を控える」とし、不正の方法や期間など詳細は明らかにしていない。通常、不正乗車をした場合、運賃の3倍を請求していることを踏まえ、請求額を決めたとみられる。
関係者によると、不正は昨年6月、京王観光の社内調査で発覚した。支店にある端末で、実際の参加者より少ない人数の乗車券を発券し、差額を不正に得ていた。京王観光は組織的不正だったことを認めている。
JR各社は「立場を悪用した不正乗車で極めて遺憾。同様の不正が起きないよう再発防止に努める」とコメントした。JR東海は「刑事告訴すべきかどうかも含めて検討中」としている。〔共同〕