古い貨客船に「STU48」劇場、JMUが受注
ジャパンマリンユナイテッド(JMU)は20日、瀬戸内地方のアイドルグループ「STU48」がコンサートに使用する船上劇場を建造する工事を受注したと発表した。既存の貨客船の上部構造物を撤去して劇場用のブロックを設置する。専用の船を新しく建造するよりも大幅に安いコストで建造できるという。
STU48は瀬戸内の魅力を発信する目的で2017年に結成された。人気アイドルグループ「AKB48」の姉妹グループとしての位置づけで、同地方の7県を拠点に活動している。瀬戸内は造船メーカーの建造用ドックが多く立地し、今後は船上コンサートの開催を計画しているという。
既存の船を改造するには対象の船の大きさや配置、設備などで多くの制約があり、新造するのとは異なる技術が必要という。工事は船舶の改造を専門に手がけるJMUの因島工場(広島県尾道市)で手掛ける。
子会社のJMUアムテック(兵庫県相生市)と因島工場の2社が劇場用の大型ブロックを分担して製造し、全長100メートル弱の貨客船の2層分を置き換える。設計では横浜事業所のノウハウも活用し、全社を挙げて取り組むという。技術力の高さをアピールできるとみている。