伊勢神宮、なぜ「参拝」でなく「訪問」か G7首脳招待
「悠久の歴史をつむいできてたくさんの日本人が訪れている。日本の精神性に触れてもらうには大変良い場所だ」。G7首脳の伊勢神宮への招待は、安倍晋三首相の肝煎りだ。一方で公式行事の中に組み込んだため、神宮内での行為に注意を払わなければ、日本国憲法がうたう政教分離の原則に違反しかねない。
外務省の伊勢志摩サミット準備事務局は昨年末から内閣法制局と水面下でどのような行為なら問題がないか詰めてきた。まず行事の呼び方を「訪問」に統一することにした。「伊勢神宮の『参拝』でなく『訪問』です」。政府関係者は、報道機関に再三注意を促す。
神道の特有の礼拝方式である「二礼二拍手一礼」や、おはらいは宗教色が強く、見送った。一方で、ひしゃくに水を取って手を洗い口をすすぐ「手水」は日本の一般的な文化伝統で問題ないと判断した。