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インド首相「国境防衛は万全」 独立70年演説で中国をけん制

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【ニューデリー=黒沼勇史】インドのモディ首相は15日、独立70年を記念した演説で「海でも国境でも宇宙でもサイバー空間でも防衛は万全で、(外敵の)脅威からインドを守るのに十分なほど強い」と強調した。インド北東部と中国、ブータンとの国境では既に2カ月、中国軍と対峙が続くが、あえて「国境」に触れ、有事への対応力に自信を示した格好だ。

同日、1947年8月15日の独立から70年の記念式典が開かれ、首都ニューデリーの古城レッド・フォートでモディ氏が演説した。独立記念日の演説は毎年行われており、就任後は4回目。

「インドの安全保障は我々の優先事項だ」。モディ氏は演説前半でこう言及した。中国、ブータンとの3カ国が接する国境では、インド陸軍が中国人民解放軍と6月16日から対峙する。自国の支配海域と誇るインド洋では中国海軍の航行が頻度を増し、中国はスリランカなど近隣国での港湾開発も進める。モディ氏は名指しこそしなかったものの、中国の海洋進出などを念頭に「海でも国境でもインドは十分に強い」と言及し、中国をけん制した格好だ。

「宗教の名の下の暴力は許されない」。2014年5月の首相就任以来、国内で高まる宗教間対立にもクギを刺した。

自身の与党インド人民党(BJP)の一部と、支持母体の政治団体、民族義勇団(RSS)が過激なヒンズー至上主義を吹聴し、感化されたヒンズー教徒が無実のイスラム教徒を殺害する事件が続く。モディ氏は「宗教の名の下の暴力は決して成功しない」と繰り返し、国民に融和を求めた。

「紙幣廃止に世界は驚き『モディはこれでおしまいだ』と人々は思った」とも話し、昨年11月に抜き打ちで実施した高額2紙幣の廃止にも触れた。「銀行システムに決して戻らなかった3兆ルピー(約5兆2千億円)が紙幣廃止で戻ってきた」などと述べ、政策の成果を強調した。

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