日産にも措置命令 三菱自燃費不正、対応遅れ指摘
三菱自動車の燃費不正問題で、消費者庁は27日、景品表示法に基づき再発防止を求める措置命令と初の課徴金納付命令を出した。課徴金は4億8507万円。同社からのOEM(相手先ブランドによる生産)供給で軽自動車を販売していた日産自動車に対しても措置命令を出した。一連の燃費不正問題で初の行政処分となった。
消費者庁によると、三菱自は「eKワゴン」などの軽自動車4車種と普通車の「パジェロ」など5車種について、カタログとウェブサイトで実際より著しく良く見せかける燃費を表示。表示の燃費は実際の数値を最大で16%程度上回っていた。
日産も「デイズ」など軽自動車2車種で同様の不当表示をした。同庁はこれらが景表法の禁じる「優良誤認」に当たると判断。日産は燃費問題に気付いて三菱自に指摘したが、その後の対応が遅かったとして措置命令の対象とした。
課徴金は、消費者への返金分を差し引くとする景表法に基づいて算定。返金計画が未提出、または不十分と判断した三菱自の普通車など5車種の売上高の3%相当額とした。軽自動車については両社の返金計画を認め、その実施状況を踏まえて判断する。
三菱自の燃費不正は昨年4月に発覚。同社は燃費の基礎データとなる「走行抵抗値」を机上計算するなどして改ざん、国に提出していた。国土交通省は立ち入り検査や独自の燃費測定で不正を確認した。ただ、虚偽申請に罰則はなく、厳重注意にとどまっていた。
三菱自は27日、「措置命令を真摯に受け止め、速やかに対応する。課徴金納付命令も内容を精査の上、適切に対応する」とのコメントを発表。日産は「本件は三菱自動車の一連の燃費不正が原因で、OEM供給されていた当社の車両についても結果として誤表示を招いたのは誠に遺憾。措置命令への対応は消費者庁と協議したい」とした。