ネパールでM7.8、死者1100人超 インドや中国も被害
エベレストで雪崩、18人犠牲
【ニューデリー=黒沼勇史】ネパール中部で25日午前11時56分(日本時間午後3時11分)ごろ、マグニチュード(M)7.8の強い地震があった。首都カトマンズでビルなどが倒壊し、世界最高峰エベレストでは雪崩が発生。ロイター通信は警察当局者の話として、死者は1130人に達したと伝えた。被害は近隣国にも広がり、インドや中国などでも死傷者が出た。
ネパールには約千人の在留邦人がおり、現地の日本大使館が安否確認を急いでいる。日本政府は26日にも70人規模の国際緊急援助隊をカトマンズに派遣する。チャーター機で外務省の人道支援担当者や自衛官らを送り、被害状況や必要となる支援を調べる。
米地質調査所(USGS)によると、震源はカトマンズ北西約80キロのラムジュン地区。震源の深さは15キロとしている。
カトマンズではビルや歴史的建造物が倒壊し、舗装道路に亀裂や断層が生じた。19世紀に建造され、市内を一望できる9階建てのダラハラ塔も土台を残して倒壊した。ネパール政府は非常事態宣言を出した。
エベレスト(8848メートル)ではベースキャンプに戻る途中だった登山者らが雪崩に巻き込まれ、少なくとも18人が犠牲になった。5月下旬になると降雨や厚い雲に覆われるため、今月は登山者が集中する時期だった。
インド北部では、ネパールと国境を接するビハール州やウッタルプラデシュ州、西ベンガル州が大きな揺れに襲われ、インドメディアによると、合計36人が死亡した。
中国チベット自治区で12人、バングラデシュでも2人の死亡が伝えられた。