ハーフマラソン日本記録保持者の設楽悠太(26=ホンダ)が2時間6分11秒で2位に入り、日本記録を16年ぶりに塗り替えた。2002年に高岡寿成がマークした2時間6分16秒の日本記録を5秒更新した。

 レース序盤は先頭集団についていくも、31キロ付近で先頭集団から大きく遅れる。しかし38キロ付近でリオデジャネイロ五輪銀メダルのフェイサ・リレサ(28=エチオピア)をとらえ5位に浮上。39キロ付近では昨年日本人トップの井上大仁(25=MHPS)を逆転し、4位に浮上する。前を行くディクソン・チュンバ(31=ケニア)、アモス・キプルト(25=ケニア)、ギデオン・キプケテル(25=ケニア)を追いかけた。40キロすぎで2位に上がり、ゴール前の直線では左手人さし指を高く突き上げ喜びを表現した。

 設楽は「32キロくらいで負けたな、と思っていたけれど、家族や会社の人からの声援で力がでた」と追い上げられた要因を話した。「今回は記録よりも勝つことを意識していた。総合1位は取れなかったけれど日本人トップを取ることができてうれしい。あと1人抜かせなかったけれどあれが僕の限界」と冷静だった。日本新記録を樹立したため、日本実業団陸上連合からは1億円の賞金が贈られる。「沿道から『1億円とって来い!』と声をたくさんいただいて励みになった」と少し笑った。

 優勝はチュンバで2時間5分30秒、井上は5位で日本人2位の2時間6分54秒だった。