札幌ドームに珍事が発生した。北海道コンサドーレ札幌は19日、この日開催予定のルヴァン杯鹿島アントラーズ戦(札幌ドーム、午後7時)の全席払い戻しを発表した。移動式天然芝「ホヴァリングサッカーステージ」の不具合発生により、通常と90度反時計回りに回転した状態で開催されることになったためだ。クラブ担当者は「90度変わってしまうことでいつもと見え方が変わってしまう。クラブとしてはお金をいただくことはできないと判断した」と話す。

前日18日、野球モードからサッカーモードへの場面転換作業中、屋外にあったホヴァリングサッカーステージを屋内へ移動させる際、設備の電源が落ちて移動できない状態になった。その後一時復旧し、19日午前1時半頃に移動は出来たが、時計回りに90度回転させる作業の際、給電設備の不具合が発生。このままの状態での試合開催を決定した。

札幌ドーム関係者によると「機材トラブルが発生することはあるが、イベント開催に影響を及ぼすのは初めて。原因を究明し、復旧を目指すが、時期は調査中」と、01年の開業以来初めてのアクシデントへの対応に追われている。

クラブが全席払い戻しの対応をせねばならないのは、新型コロナウイルスの影響もある。現在全席指定席での販売。感染対策として、どの席に誰が座ったか、把握する必要があるためだ。コロナ禍でなければ、全席自由席へ変更する対応も可能だったが、その対応も取れなかった。

観戦はすでに購入済みのチケットの座席で可能。