メニエール病再発のため芸能活動を休止した今井翼(36)が主演予定だった大阪松竹座公演の音楽劇「マリウス」(6月8~26日)の製作発表が4日、大阪市内で行われ、代役主演は、ジャニーズWESTの桐山照史(28)と発表された。

 会見にも出席した桐山は「今井翼君のマリウス、未熟ながら務めさせていただきます」とあいさつ。東京・日生劇場での初演は客席から観劇していたといい「出てくる人物、誰も悪い人がいない。見ていて、あったかい気持ちになった」と振り返った。

 その作品に代役主演が決まり「聞いたばっかりで戸惑いと不安しかないですけど、正直に言えば。でも、皆さんの気持ち、翼君の気持ちをしっかりとくみ取って、翼君が帰ってくるまで、しっかりと守りたい」と話した。

 同作は仏作家マルセル・パニョルによる「マルセーユ劇3部作(マリウス、ファニー)」として、仏国内では国民的人情喜劇として親しまれている音楽劇。学生時代に同戯曲を愛読していた映画監督の山田洋次氏(86)は、同作を原典とし「寅さんシリーズ」を生み出したことで知られる。

 今音楽劇は、その山田氏が脚本、演出を担当。夢を追う青年マリウスを中心に描き、マリウスを一途に思う娘ファニーは瀧本美織(26)が演じてきた。

 今回、その主人公マリウスを、今井の代わりに演じる桐山は「お芝居も、歌も踊りも、とくにフラメンコは難しい。1時間やってみたら筋肉痛になった」。今井に、主演をメールで報告すると「山田洋次監督もキャストもみな、やさしい。僕のことを気にせず、桐山らしいマリウスを見せて」と返信があったという。

 とりわけ、桐山は、フラメンコに苦戦中だといい「(今井に)帰ってきたら一緒に踊ってくださいと言って、(一緒に踊ると)約束してくれた」と明かした。

 この日の会見には、瀧本も出席。瀧本は「ファニーは芯の強さを持った女性。強さを持って、役にアプローチにしていきたい」。桐山の印象には「ミュージカルの大先輩なので、逆にいろいろ教えていただきたい気持ち。桐山さんとのハーモニーに身を任せていきたい」と話した。

 そんな瀧本に「もう、上手言って!」と照れながらつっこんだ桐山は「(瀧本と)お仕事は初めてで、20分ほど前にしゃべったばかりですが、(相性は)合うんじゃないか」と笑顔で返していた。

 また、この日の会見には山田監督も出席予定だったが、風邪のため欠席。「今井翼君と作り上げたマリウスの再演に、彼がいないのは残念。1日も早い回復を祈りたい。桐山君とまた新しいナニワのマリウスを作りたい」とコメントを寄せた。