大相撲の第55代横綱で、日本相撲協会の理事長を務める北の湖敏満氏(本名・小畑敏満)が20日午後6時55分、直腸がんによる多臓器不全のため福岡市内の病院で急逝した。62歳だった。

 訃報に、今は芸能界で活躍する元大関で歌手の増位山太志郎(67)も大きなショックを受けた。増位山は北の湖さんとは同じ三保ケ関部屋で、67年初場所初土俵の同期だった。20日、長野県内で松原のぶえらと演歌コンサートを行っており、終演後にニュースで死去を知り、取材に応じた。

 増位山は「想像もしていなかっただけに、大変ショックというか驚いています…」と絶句した。「実は、直腸に腫瘍があって手術していて、具合が悪いのは、僕は前々から知っていました。でも、理事長は絶対に弱みを見せない人だったから、公にはしなかったんです」と明かした。

 年は上だが、同部屋の同期生。引退後は、部屋が近いこともあり、横綱として理事長に上り詰める北の湖さんを、親方として同じ出羽海一門の重鎮として支えた。増位山は一昨年の11月、一足先に日本相撲協会を定年退職。第3の人生として歌手に専念していた