日本相撲協会は27日、大相撲九州場所が開催されている福岡国際センターで同場所の三賞選考委員会を開き、千秋楽の本割を終え受賞力士が決まった。

殊勲賞は千秋楽を迎えた時点で、12勝2敗で優勝争いの単独トップに立っていた、東前頭筆頭の高安(32=田子ノ浦)の受賞が決まった。4回目の受賞で、三賞は通算12回目で歴代10位タイに入った。本割と優勝決定ともえ戦で敗れ、悲願の初優勝は逃した。

敢闘賞は、千秋楽を迎えた時点で11勝3敗と逆転優勝の可能性を残していた、西前頭9枚目の阿炎(28=錣山)が、こちらも無条件での受賞が決まった。敢闘賞は4回目の受賞で、三賞は通算5回目の受賞となった。本割で高安に勝ち、大関貴景勝(25=常盤山)を交えた優勝決定ともえ戦に進んだ阿炎は、再度の対戦で高安を、続く貴景勝戦と連勝し、初優勝を遂げた。3場所連続平幕優勝は、史上初となった。

技能賞は、14日目に優勝の可能性は消えたものの、中盤まで優勝争いを引っ張った関脇豊昇龍(23=立浪)が、千秋楽の小結霧馬山(26=陸奥)に勝ち、11勝目を挙げた場合という条件付きで受賞することが決まった。その霧馬山戦を寄り切りで勝ち、2回目の技能賞(三賞通算も同じ)が決まった。

敢闘賞候補には、14日目で優勝の可能性は消えたが、2日目からの9連勝で中盤まで優勝争いを引っ張った西前頭13枚目の王鵬(22=大嶽)と、西前頭16枚目の平戸海(22=境川)の名前も挙がったが、投票で出席委員の過半数に満たず見送られた。