9人の力士が一時的に逃げ出していた式秀部屋が11日、茨城・龍ケ崎市の部屋で稽古を再開した。7月場所後、最初の稽古だったこともあり、この日は軽めの基礎運動などで汗を流した。体調が心配される式秀親方(48=元幕内北桜)は、稽古場に下りて力士たちを指導した。

力士脱走の一因は、おかみさんのいきすぎた生活指導にある。親方が高血圧などのために体調を崩し、「師匠代行」に任命されたおかみさんが、新型コロナウイルス感染防止に敏感になりすぎた。9、10日は式秀親方が力士全員と個人面談し、それぞれの考えを吸い上げた。おかみさんの言動が心的負担になっていることを打ち明ける力士もいたとみられる。

日本相撲協会のコンプライアンス委員会はすでに、親方やおかみさんのほか、力士らからも聞き取り調査を終えた。今後は静観し、部屋の自浄努力に期待する見通し。式秀部屋には部屋付き親方が在籍していないこともあり、式秀親方が健康面に注意しながら、力士の育成方法を改善していくしかない。