稀勢の里との取組が史上最多66度を数えた東前頭4枚目琴奨菊(34=佐渡ケ嶽)が、泣いた。松鳳山との取組後、支度部屋で「稀勢の里はどんな存在だった?」と問われ、しばし無言。「朝聞いた時は涙が出た」と話した数分後、再び涙がこぼれ落ちた。「負けないように…やるだけです」と声を振り絞った。

場所前には田子ノ浦部屋へ出稽古した。「美談になるのがすごく嫌。強くなるために、若手では出せないものを(お互いが)出せるかなと思って」と話した。

今場所は、昨年初場所以来の顔合わせがあるはずだった。これまで34勝29敗(2不戦勝、1不戦敗)。「当たるの楽しみだったんだけどね。自分の成長を試せる、勝てば本当にノッていける相手だから」と残念がった。