貴乃花親方(元横綱)が19日、京都・宇治市の宿舎で行われた朝稽古後に、弟子の十両貴公俊が大相撲春場所8日目の18日に会場のエディオンアリーナ大阪の支度部屋で取組後、付け人に暴力行為をしたことについて説明した。「事実です。(貴公俊から)確認しました。深刻なことです」と険しい表情で暴力行為があったことを認めた。

 貴公俊は8日目の取組で、付け人から出番の時間を誤って伝えられて、土俵下の控えに慌てて駆け込んだ。その際、十両の審判長の境川審判部長代理(元小結両国)から注意を受け、さらに大翔鵬に敗れたことで、怒りの矛先が付け人に向けられてしまった。

 支度部屋に引き揚げた際に、暴言とともに拳で顔面を殴り、付け人は左のほお付近を腫らして口から出血。付け人の不手際が原因だったとはいえ、貴乃花親方は「どんな理由であっても暴力をするということは、あるまじき行為ですので土俵に上げることはできません。殴られた子の気持ちになれば言い訳つきません。勝つ負ける、勝負の以前の問題」と貴公俊の行為を厳しく批判し、9日目のこの日から休場させることを決めた。

 元横綱日馬富士関の傷害事件の被害者の十両貴ノ岩が所属している部屋での暴力行為。それだけに貴乃花親方は「これだけ厳しく暴力はいけないと言ってきた。貴公俊もあらためてこれから厳しく指導していきます。大変申し訳なく思っています」と話した。また貴乃花親方はこの日、会場のエディオンアリーナ大阪で日本相撲協会に当問題を直接報告するとしている。