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テレ東系『教えて!ウルトラ実験隊』ねつ造で番組打ち切り

テレビ東京は2005年2月1日,同局系列で1月25日に放送された情報番組『教えて!ウルトラ実験隊』で取り上げた花粉症対策の実験的な治療方法にねつ造があったとして,同番組の打ち切りを発表し,幹部ら4人を減俸やけん責などの処分にした。テレビ東京は,午後8時からの番組内でわい曲の内容について説明して訂正するとともに謝罪した。同番組は2月8日の放送分で打ち切りとなった。

今回の問題は,1月25日の放送後,番組で取材を受けた千葉大学側からの抗議により発覚した。テレビ東京は,1月28日に実験期間など一部事実をわい曲した表現があったとして謝罪した後,事実関係について調査していた。テレビ東京の説明によると,番組では,現在臨床研究中の「舌下減感作療法」と呼ばれる花粉症治療法を千葉大学の協力を得て撮影し紹介したが,その中で,花粉症の女性が2週間治療を受けて症状が改善したと治療効果があったような映像構成にし,実証実験を行ったように放送していた。しかし,女性は実際には千葉大学の病院で同治療を受けていず,病院を訪れたのも最初の撮影時とその4日後の2回だけであり,また,皮内テストも反応が自然に縮小した場面を4日後に撮影したものだった。さらに,治療の効果についても,「効果が出るまで早くても2~3か月かかる」と説明を受けていたにもかかわらず,2週間治療効果があるかのように編集していた。

同番組は2004年10月12日にスタート,制作すべてを番組制作プロダクションの「日本テレワーク」が担当していた。

東郷 荘司