最新記事

世界経済

米株市場ダウ2352ドル暴落、過去最大の下げ幅 トランプの入国制限を嫌気

2020年3月13日(金)07時55分

米国株式市場は暴落。ダウ平均株価は2352ドル値下がりし、過去最大の下げ幅を記録したほか、下落率も約10%と1987年10月のブラックマンデー以降で最大になった。ニューヨーク証券取引所で撮影(2020年 ロイター/BRENDAN MCDERMID)

米国株式市場は暴落。ダウ平均株価は2352ドル値下がりし、過去最大の下げ幅を記録したほか、下落率も約10%と1987年10月のブラックマンデー以降で最大になった。トランプ米大統領が11日、新型コロナウイルスの感染拡大を阻止するため、英国を除く欧州からの入国禁止を発表したことが嫌気され、世界各国で株安が加速した。

S&P総合500種指数とナスダックは2月に付けた最高値から20%超下落し、金融危機以来の弱気相場入りとなった。ダウも前日に弱気相場入りしており、米国史上最長の強気相場は終わりを迎えた。

ノバポイント(ジョージア州)のジョゼフ・ストローカ最高投資責任者(CIO)は「市場はこれまでのコロナ対策が十分でないと感じており、これが売り継続につながっている」とした上で、「市民生活が通常に戻る見通しが全く立たない。著名な組織や教育機関、スポーツ団体などが相次いでイベントの中止を決めている」と述べた。

欧州からの入国制限を受け、航空株は12.3%安となった。

米連邦準備理事会(FRB)の金融調節を担うニューヨーク連銀は12日、1兆5000億ドル規模の追加レポオペを実施すると発表した。さらに継続中の国債購入については、幅広い銘柄を買い入れの対象にする方針を示した。

FRBは前週実施した緊急利下げに続き、17─18日の連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利下げを決定すると予想されている。

金利に敏感な銀行株は10.5%下落。企業が融資枠の利用に動く中、信用懸念から債券ファンドも打撃を受けた。

このほか、個別銘柄ではボーイングが18.1%急落。JPモルガンが投資判断を「オーバーウエート」から「ニュートラル」に引き下げたことを嫌気した。

S&P500の主要11セクターはいずれも大幅なマイナスで引けた。

米株式投資家の不安心理の度合いを示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(VIX指数)は2008年11月以来の水準に上昇した。

ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を23.77対1の比率で上回った。ナスダックでも17.69対1で値下がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は185億4000万株。直近20営業日の平均は124億9000万株。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国スマホ販売、第1四半期はアップル19%減 20

ビジネス

英インフレ率目標の維持、労働市場の緩みが鍵=ハスケ

ワールド

ガザ病院敷地内から数百人の遺体、国連当局者「恐怖を

ワールド

ウクライナ、海外在住男性への領事サービス停止 徴兵
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 2

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の「爆弾発言」が怖すぎる

  • 3

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親会社HYBEが監査、ミン・ヒジン代表の辞任を要求

  • 4

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 5

    「なんという爆発...」ウクライナの大規模ドローン攻…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 8

    ロシア、NATOとの大規模紛争に備えてフィンランド国…

  • 9

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 10

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 7

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 8

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子…

  • 9

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 10

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中