現在、相撲協会には42の相撲部屋があるので、「部屋持ち親方」が42人ということになる。一方、親方の総数は103人なので、残りの61人が「部屋付き親方」というわけだ(年寄名跡105のうち空席3。名跡は襲名していないが元横綱の特例で引退後5年間は協会に残れる鶴竜を含む)。
「部屋付き親方は本来、サポート役として所属力士たちを指導する役割を担うはずだが、なかには滅多に部屋の稽古に顔を出さない部屋付き親方もいる。力士たちから“部屋付き親方をしばらく見ていない”“本場所で2か月ぶりに見た”“部屋の激励会でしか見ない”といった話を聞くことは珍しくない。『部屋付き』と言いながら名ばかりであるケースもあるのです」(協会関係者)
尾車部屋では世話人の元幕下・錦風の感染も確認された。世話人とは相撲用具の運搬や保管などを担当する相撲協会の嘱託職員(現役時代の部屋に所属)だが、このケースでも尾車部屋に出入りしていなかったので部屋の力士たちは本場所に出場できるのだという。コロナ禍によって、協会内部の関係者たちの働きぶりの実態が、あぶり出された格好である。