国内

大の煙草嫌いの松原仁代議士 屋内禁煙規制に反対する理由

「民進党分煙推進議員連盟」会長の松原仁議員

“屋内全面禁煙”を視野に、罰則付きの法案化で「たばこ規制」の強化を図りたい政府。その動きに永田町で賛否両論が沸き起こっていることは当サイトでも度々報じてきたが、論戦は与党のみならず野党にまで飛び火している。

 今年2月、民進党衆議院議員で党東京都連会長の松原仁氏が有志議員約50名を引き連れて「民進党分煙推進議員連盟」を発足させた。その設立趣意書には、〈原理主義的に建物内の禁煙を進めようとしていることは看護できない〉とあり、規制の中身を検討している厚生労働省案を強く非難している。

 同議連は独自の「対案」を練るほど気炎を上げるが、最終的に目指しているのは“完全な分煙社会”だという。自らは非喫煙者で、「たばこの煙は大嫌い」と公言する松原氏に、望ましい喫煙環境のあり方について聞いてみた。

 * * *
──松原さん自身はたばこを吸わないと聞きましたが、そんな松原さんが政府の禁煙規制に反対の立場をとる議連を作られたのは少し意外でした。

松原:実は議連メンバーの多くは喫煙者なのに対し、僕自身は他人のたばこの煙を吸わされる「受動喫煙」をもっとも嫌がる人間のひとり(笑い)。でも、禁煙原理主義の厚労省案がすんなり決まってしまうと、国民の自由な権利や多様性、生活権をも否定することになりかねません。

 そこで、たばこの煙を吸いたくない人が受動喫煙の被害を一切受けないようにする「完全分煙」の社会構造を築きながら、喫煙者と非喫煙者が共生できる社会を実現すべきだと考えたんです。

──厚労省は望まない受動喫煙の影響を最小限に抑えるため、飲食店などサービス業でも原則屋内禁煙にする方針だといわれています。

松原:もちろん厚労省のいうように、子供や妊婦も訪れるような飲食店が全席喫煙可能であれば受動喫煙の影響はあるでしょうが、それはあくまでもお客さんの選択ですし、店側にとっては、どこで営業しようが店を喫煙、禁煙スタイルにしようが、それは各々の経営戦略やサービスの一環としてやっていること。いちいち法律で規制されるべきものではありません。

──店の業態や面積(※注/主に酒類を提供するBARや居酒屋で分煙環境を整えにくい狭い店など)に応じて例外を設けることも検討されていますが。

松原:同じ居酒屋でも喫煙できる店とできない店が強制的に分けられてしまったら、売り上げに影響してツブれてしまう店が出るかもしれません。その逆で、禁煙にしたら売り上げがアップするケースだってあるはずです。

 しかし、それらもわざわざ法で決めることではなく、自由に営業させて後は経済原則に任せればいい。その結果、例えば喫煙できる寿司屋とできない寿司屋の店舗比率や喫煙可否による売り上げの増減が差別化となって表れてくる。そして、自然と“最大公約数的”なサービス形態に行き着くでしょう。

──それよりも民進議連案では、飲食店の入口などに喫煙可能か否かの掲示を必ずしなければならないと強く謳っています。

松原:はい。すでに浅草の商店街などでは実践されていますが、共通のステッカーを貼ることによって、飲食店やお客さんは、「屋内禁煙」「屋内禁煙(喫煙専用室設置)」「空間分煙・時間分煙」「全面喫煙可」の中から自由に選択することができます。そうすることによって、誤って非喫煙者が受動喫煙にさらされるケースも防げます。

関連記事

トピックス

大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
華々しい復帰を飾った石原さとみ
【俳優活動再開】石原さとみ 大学生から“肌荒れした母親”まで、映画&連ドラ復帰作で見せた“激しい振り幅”
週刊ポスト
死体損壊容疑で逮捕された平山容疑者(インスタグラムより)
【那須焼損2遺体】「アニキに頼まれただけ」容疑者はサッカー部キャプテンまで務めた「仲間思いで頼まれたらやる男」同級生の意外な共通認識
NEWSポストセブン
学歴詐称疑惑が再燃し、苦境に立つ小池百合子・東京都知事(写真左/時事通信フォト)
小池百合子・東京都知事、学歴詐称問題再燃も馬耳東風 国政復帰を念頭に“小池政治塾”2期生を募集し準備に余念なし
週刊ポスト
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
ホワイトのロングドレスで初めて明治神宮を参拝された(4月、東京・渋谷区。写真/JMPA)
宮内庁インスタグラムがもたらす愛子さまと悠仁さまの“分断” 「いいね」の数が人気投票化、女性天皇を巡る議論に影響も
女性セブン
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
水原一平容疑者の半生を振り返る(C)BACKGRID,Inc/AFLO
《現地レポート》水原一平容疑者「中学時代は帰宅部」同級生が口を揃える“影の薄さ”「騒いでるのをそばで見ているタイプ」「高校の同窓会には不参加」
週刊ポスト
伊藤
【『虎に翼』が好発進】伊藤沙莉“父が蒸発して一家離散”からの逆転 演技レッスン未経験での“初めての現場”で遺憾なく才能を発揮
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
《重い病気を持った子を授かった夫婦の軌跡》医師は「助からないので、治療はしない」と絶望的な言葉、それでも夫婦は諦めなかった
《重い病気を持った子を授かった夫婦の軌跡》医師は「助からないので、治療はしない」と絶望的な言葉、それでも夫婦は諦めなかった
女性セブン