シンガーの島谷ひとみが1月19日、東京・俺のGrill&Bakery 大手町でスペシャルワンマンライブ『HITOMI SHIMATANI New year concert "La premiere etape”』(ラ・プレミア・エタプ)を行った。今年初となるライブはディナーショースタイルで昼の部、夜の部と2回公演。昼の部は「亜麻色の髪の乙女」や「gentle rain」などアンコール含め13曲を歌唱した。昼の部の公演の模様を以下にレポートする。【取材=村上順一】

今年はライブを沢山やりたい

島谷ひとみ

 どの場所から観ても程よい距離感でステージを堪能出来る、俺のGrill&Bakery。一期一会なプレミアムな空間。スタインウェイのグランドピアノが存在感を放つステージ。開演時刻になりサポートメンバーがステージに登場し、カウントから演奏がスタート。そこに赤い衣装に身を包んだ島谷ひとみがステージに登場。オープニングナンバーは「Brilliant Ways」。凛とした芯のある声、キラキラと輝きを放ちながら会場を包み込んでいく。

 「こうやってみんなに会えて嬉しいです。21年目“ひとみ21”ということで、ここまでいろんな事があったけど、みんなに安心して頂こうということで、(ライブを)開かせていただきました」と、このライブ開催の意図を説明。そして、2020年初ライブの場所に俺のGrill&Bakery 大手町を選んだことについて。昨年のツアー『HITOMI SHIMATANI 20th ANNIVERSARY FINAL LIVE TOUR 2019』の幕開けもこの場所だったことと、その時から2020年初ライブをこの場所でやりたいと思っていたことを明かした。

 しっとりと井出泰彰(Pf)による深みのあるピアノと島谷のトランスペアレントな歌からスタートした「やさしいキスの見つけ方」は伸びやかな歌声を響かせる島谷。オーディエンスも手拍子で一体感を作り出す。続いての異国の風を感じさせてくれるアレンジに乗って、「ilusion ~イルシオン~」では、天野恵(Vn)による艷やかな音色が響くなか、リズムに合わせ、ゆらゆらと踊る島谷の姿が印象的だった。

 観客とコミュニケーションをとりながらのMC。リラックスモードで、笑いの絶えない空間が広がっていた。島谷は今年の抱負にあまり喋らないこと「無口」と挙げたが、それは難しいそうだと、サポートメンバーから突っ込まれる場面も。

 梶原健生(Gt)のガットギターのラスゲアード奏法がスパニッシュな空気感を色濃く演出した「市場に行こう」を披露。メリハリのある叙情的な歌は、楽曲の世界観を見事に表現。男女の恋愛を綴った「Dita」は、力強さもありながら、流れるような滑らかさと優しさを歌声から感じさせた。

島谷ひとみ

 正月休みについて話す島谷。姉の家で餅を作ったが、餅がこぼれてしまい、その餅の熱で床が変色してしまうというハプニングもあったという。でも「幸せだった」と充実した休暇が取れたと観客に報告。「今年はライブを沢山やりたい」、昨年に行われたツアーの手応えから、年に一回は大掛かりなコンサートも行いたいと、2020年の展望を話した。

本当に音楽っていいな

島谷ひとみ

 昨年のコンサート『HITOMI SHIMATANI 20th ANNIVERSARY FINAL LIVE TOUR 2019 brilliant』でも披露され、そのときに観客が涙を流した1曲「いつの日にか…」。レイドバックした透明感あふれる歌声で、丁寧にメッセージを届け、続いて相田みつをの書を歌詞に取り入れ、リズミックな1曲「雨の日には 雨の中を 風の日には 風の中を」を披露。聴いているだけで元気にさせてくれる曲で、島谷も満面の笑顔で歌唱。

 続いて、疾走感のあるアップチューン「Vivace!」では、座っていた観客もスタンディングで、サビでは島谷の振り付けを真似する人や、クラップで一体感を作り上げ楽しんだ。島谷も「いいねいいね、みんな!」と嬉しそうに観客に語りかけた。

 そして、島谷の軽やかなステップが印象的だった「sabao」(※Sabaoの2つ目の「a」はチルダ付きが正式表記)。シャボンのように舞い上がるような、躍動感のあるメロディに酔いしれ、島谷は歌唱後に「思いっきり歌って踊ると、みんなどんどん笑顔の花が咲いていくようで、本当に音楽っていいなと嬉しく思います。」と、ここまで感じたことを述べ、楽しい時間はあっという間に本編ラスト。代表曲のひとつ「亜麻色の髪の乙女」を生き生きと届け、ステージを後にした。

 アンコールの声に応え、再びステージにサポートメンバーに続いて島谷が登場。「盛り上がっていくよ〜座っている場合じゃないからね!」と観客を煽り「ANGELUS -アンジェラス-」を披露。「今年もこのまま行ったらあっという間に終わるからね。心してついてきてよ」とテンションの上がる言葉。

 そして、「新しい幕開けの最初のステージ。清々しい気持ちでステージに立たせていただきました」と今の気持ちを話し、「Perseus -ペルセウス-」では観客も声を上げ、拳を掲げ盛り上がると、島谷も客席からのアクションに「すごい!」と驚きの声。「全部出し切っていって!」と投げかけ、空気を震わす島谷の圧巻の歌声に、観客もジッとしていられない、といった様子をみせた。

ライブの模様

 本来はここで終了予定だったが、島谷は「もう1曲歌いたい」とラブバラードの「gentle rain」を最後に届けた。情感を込め、目の前に楽曲の持つ情景を鮮明に映し出す歌声。観客も静かにその歌声に耳を傾け聴き入っていた。

 歌もトークの切れ味も絶好調な2020年初ライブは、大人な空間も相まって最高のひとときを提供してくれた。ライブにシフトした1年になるとのことで、どんなステージを見せてくれるのか期待感が高まった。

セットリスト

『HITOMI SHIMATANI New year concert "La premiere etape”』

1月19日@俺のGrill&Bakery 大手町

01.Brilliant Ways
02.やさしいキスの見つけ方
03.ilusion ~イルシオン~
04.市場に行こう
05.Dita
06.いつの日にか…
07.雨の日には 雨の中を 風の日には 風の中を
08.Vivace!
09.sabao
10.亜麻色の髪の乙女

ENCORE

EN1.ANGELUS -アンジェラス-
EN2.Perseus -ペルセウス-
EN3.gentle rain

島谷ひとみ公式サイト
https://shimatani.tokyo/

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