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「食生活指針」の策定について

 厚生省では、国民ひとりひとりが食生活改善に取り組むよう、昭和60年に「健康づくりのための食生活指針」を策定し、さらに平成2年には個々人の特性に応じた具体的な食生活の目標として、対象特性別の指針を策定してきたところである。
 しかしながら、近年、がん、心臓病、糖尿病などの生活習慣病が健康問題として大きな課題となっており、その予防のために食生活の改善はますます重要となっている。また、昨年6月にとりまとめられた「第6次改定 日本人の栄養所要量(食事摂取基準)」においては、過剰摂取予防の観点から「許容上限摂取量」が設けられたところである。
 これらの趣旨を踏まえ、国民が日々の生活の中で「何をどれだけ、どのように食べたらよいのか」、具体的に実践できる目標として、新たな「食生活指針」を策定する必要がある。
 このため、保健医療局長が参集する検討会を開催し、検討を進めてきた。
 今回、指針の策定にあたっては、農林水産省、文部省と連携を図り検討を進め、別添の「食生活指針」を各省庁において決定した。また、これを踏まえ「食生活指針の推進について」が閣議決定されることとなっている。
 策定された指針は以下のとおりである。

食 生 活 指 針

○食事を楽しみましょう。
(食生活指針の実践のために)

・心とからだにおいしい食事を、味わって食べましょう。
・毎日の食事で、健康寿命をのばしましょう。
・家族の団らんや人との交流を大切に、また、食事づくりに参加しましょう。

○1日の食事のリズムから、健やかな生活リズムを。
(食生活指針の実践のために)

・朝食で、いきいきした1日を始めましょう。
・夜食や間食はとりすぎないようにしましょう。
・飲酒はほどほどにしましょう。
○主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。
(食生活指針の実践のために)
・多様な食品を組み合わせましょう。
・調理方法が偏らないようにしましょう。
・手作りと外食や加工食品・調理食品を上手に組み合わせましょう

○ごはんなどの穀類をしっかりと。
(食生活指針の実践のために)

・穀類を毎食とって、糖質からのエネルギー摂取を適正に保ちましょう。
・日本の気候・風土に適している米などの穀類を利用しましょう。

○野菜・果物、牛乳・乳製品、豆類、魚なども組み合わせて。
(食生活指針の実践のために)

・たっぷり野菜と毎日の果物で、ビタミン、ミネラル、食物繊維をとりましょう。
・牛乳・乳製品、緑黄色野菜、豆類、小魚などで、カルシウムを十分にとりましょう。

○食塩や脂肪は控えめに。
(食生活指針の実践のために)

・塩辛い食品を控えめに、食塩は1日10g未満にしましょう。
・脂肪のとりすぎをやめ、動物、植物、魚由来の脂肪をバランスよくとりましょう。
・栄養成分表示を見て、食品や外食を選ぶ習慣を身につけましょう。

○適正体重を知り、日々の活動に見合った食事量を。
(食生活指針の実践のために)

・太ってきたかなと感じたら、体重を量りましょう。
・普段から意識して身体を動かすようにしましょう。
・美しさは健康から。無理な減量はやめましょう。
・しっかりかんで、ゆっくり食べましょう。

○食文化や地域の産物を活かし、ときには新しい料理も。
(食生活指針の実践のために)

・地域の産物や旬の素材を使うとともに、行事食を取り入れながら、自然の恵みや四季の変化を楽しみましょう。
・食文化を大切にして、日々の食生活に活かしましょう。
・食材に関する知識や料理技術を身につけましょう。
・ときには新しい料理を作ってみましょう。

○調理や保存を上手にして無駄や廃棄を少なく。
(食生活指針の実践のために)

・買いすぎ、作りすぎに注意して、食べ残しのない適量を心がけましょう。
・賞味期限や消費期限を考えて利用しましょう。
・定期的に冷蔵庫の中身や家庭内の食材を点検し、献立を工夫して食べましょう。

○自分の食生活を見直してみましょう。
(食生活指針の実践のために)

・自分の健康目標をつくり、食生活を点検する習慣を持ちましょう。
・家族や仲間と、食生活を考えたり、話し合ったりしてみましょう。
・学校や家庭で食生活の正しい理解や望ましい習慣を身につけましょう。
・子どものころから、食生活を大切にしましょう。

 なお、食生活指針のリーフレットを作成した。


照会先:保健医療局生活習慣病対策室 栄養調査係(内線2344)


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