週刊新潮記事(平成25年6月27日号)への宮内庁の見解と対応

  •     本日(平成25年6月20日)発売の週刊新潮に,「『雅子妃』不適格は暗黙の了解『千代田』の迷宮」との記事が掲載されておりますことについて,宮内庁としての見解と対応を申し上げたいと思います。
  •     週刊新潮については,既に平成25年6月13日発売の前号の「『雅子妃』不適格で『悠仁親王』即位への道」との記事に対し,全くの事実無根であるとして,内閣官房と宮内庁の連名により,文書にて厳重に抗議するとともに,速やかに訂正記事を掲載することにより,記載のような事実がなかったことを明らかにするよう求めているところであります。
  •     今回の記事では,前号の記事を改めて引用しつつ,新たに「官邸と宮内庁の軋轢」と題し,安倍総理の宮内庁不信に繋がった過去の事情として,次のように紹介されています。
  •     「2008年の麻生政権時代に,麻生さんが〝皇族の減少〟問題に対応するため,戦後,皇籍を離脱した旧宮家の皇籍復帰を官邸内で検討させたことがあります。すると,この動きを察知した宮内庁から外部に,〝麻生総理が陛下への内奏の際,旧宮家の復帰を提案したところ,陛下は良い返事をされなかった〟という情報が流れた。これが安倍さんの耳に入り,私も聞かされましたが,本当かどうか信じられなかった」こう語るのは,皇室問題に通暁した,さる有識者だ。「そこで〝ヒゲの殿下〟の呼称で親しまれた故・寬仁親王殿下に〝陛下のご真意を確かめていただけませんか〟とお願いにあがった。殿下は確認に出向いてくれ,1週間後,宮務官から答えが来ました。内容は〝そもそも,その時期に麻生総理の陛下に対する内奏は行われていない〟というもの。つまり,話が全て嘘だということが分かったんです。宮内庁は旧皇族の復帰を望まないのでしょう。」
  •     この記事にあるような,内奏に関する情報が宮内庁から外部に流されたとか,流された情報は全て嘘であり,宮内庁が虚偽の情報を発信したなどの事実は一切なく,全くの事実無根であります。
  •     この記事については,週刊新潮編集部より事前(6月18日付)に文書にて取材申請があり,当該事実は一切ないことを文書にて明確に回答していたにもかかわらず,このような記事が前号に引き続きそのまま公表されたことに,強い憤りを感じます。
  •     少しその内容について個別に申し上げますと,最初に「『雅子さま』想定内のキャンセルに10秒絶句『陛下』の胸中」との見出しで,宮内庁が官邸に皇室典範の改正を要請したとの前号の内容が改めて掲載されるとともに,「その根本にあるのは,両陛下が『雅子妃は皇后に不適格』と断を下されたという現実だ」との記述がありますが,前号の内容については,内閣官房及び宮内庁が連名で厳重に抗議するとともに,速やかに訂正記事を掲載するよう求めているところであり,全くの事実無根であると改めて申し上げておきます。
  •     また,「侍従長に問題官僚で揉める官邸と宮内庁の軋轢の根本」との見出しで,先ほど紹介した2008年の麻生政権時代のくだりが出てまいりますが,情報の真偽を確認するくだりでは,故寬仁親王殿下付きの宮務官から,「そもそも,その時期に麻生総理の陛下に対する内奏は行われていない」との回答があったとの記述がありますが,実際に確認したところでは,当該宮務官は当時そのような回答を行った事実は全く記憶にないとのことであります。
  •     また,陛下への内奏の際のやり取りについては,外部には一切明らかにされないのが通例であり,記録としては,陛下への内奏が行われたという事実のみしかわかりませんが,麻生総理から陛下への内奏は,認証官任命式に伴うものなども含めれば,約1年の在任期間中に計13回ございます。
  •     さらに,前号の記事を引用するくだりでは,「2月1日,風岡典之宮内庁長官が官邸の安倍総理を訪ね,「女性宮家」の創設が両陛下のご意向であることを説明。さらに同日夜,両陛下が皇居に総理夫妻を招かれ,その晩餐の席でも皇統の安定的継承の問題が話題に上った」と記述されておりますが,全くの事実無根であると改めて申し上げておきます。
  •     以上申し上げましたように,皇室制度や皇位継承のあり方という極めて重要な事柄について,このように憶測等に基づく,全く事実と異なる記事を掲載することは,国民に重大な誤解を与えかねないものであり,大変遺憾に思っております。
  •     このため,この週刊新潮の記事に対しては,前号の記事に引き続き,宮内庁として,文書にて厳重に抗議するとともに,速やかに訂正記事を掲載することにより,記載のような事実がなかったことを明らかにするよう求めることとしております。