NHK「富岳」でシミュレーション、サンテレビ「1・17のつどい」中継…震災27年、関西各局で特別番組

2022/01/11 15:30

NHK「(仮)阪神・淡路大震災27年」より(NHK提供)

 阪神・淡路大震災から27年となる17日の前後、関西の各局は特別番組を予定している。(金井恒幸) 関連ニュース 盛り土を追う~1・17埋もれた警告(3)責任の所在 神戸・六甲山に「1・17」の文字浮かび上がる 震災の記憶を次世代に 阪神・淡路で倒壊の橋脚展示 阪神高速が震災資料保管庫を特別公開

■17日に集中
 NHK総合は17日午後10時から、NHKスペシャル「(仮)阪神・淡路大震災27年 取り残された“耐震化”~建物からどう命を守るか~」を放送する。
 神戸が再び激震に襲われた時に何が起きるのか。世界最速の計算力を誇るスーパーコンピューター「富岳」を使ったシミュレーションで、市内42万棟すべての建物の被害を予測する。古い木造家屋の密集地区は倒壊にとどまらない被害が出るほか、新しい耐震基準の住宅でも地盤によっては大きく損傷するリスクが浮かび上がった。
 市中心部の繁華街は、「耐震改修促進法」の支援対象から外れた雑居ビルが多い。同法ができる前の旧耐震基準で建てられているため、倒壊する恐れがあることが判明。どうすれば命を守ることができるのかを、先進的な取り組みの紹介を交えて考える。
 ABCは同日の「おはよう朝日です」(午前5時~)で特集を組む。被災当時、兵庫県芦屋市の小学生兄弟が、仮設住宅の老夫婦を支援するため自転車で日本1周して寄付を集めた話を紹介。30代となった現在、2人が震災経験を子どもに伝える様子などを届ける。
 カンテレは27年前の震災発生時刻の午前5時46分に合わせて追悼番組「この瞬間(とき)に祈る」を放送。12~17日の「報道ランナー」(午後4時45分~)でも特集を予定する。中でも12日は、人口減少が続く神戸市長田区に焦点を当て、地元が望む本当の復興とは何かを考える。
 MBSは17日の午前5時46分前後に特番を予定する。テーマは「『あの日』を忘れない・前にすすむ神戸」。出演は川地洋平アナウンサーら。
 読売テレビは「かんさい情報ネットten.」(午後4時50分~)で特集。11日は芦屋市の震災復興住宅の近くにあるカフェを取り上げる。孤独を食い止めるためのコミュニティー作りを目的に開かれたもので、地域で暮らす被災者たちの日常と地道に続く取り組みに密着する。
■地元目線で
 ラジオ関西は17日、「阪神淡路大震災1.17のつどい」を中継する。午後3時35分からは「関西AMラジオ4局同時生ネット」として同局とラジオ大阪、和歌山放送とKBS京都のスタジオをつなぎ生放送。
 サンテレビは「バトン1.17」を17日午後5時から放送。発生時間の前後、「1.17のつどい」を中継する他、遺族に密着取材し、無念の思い、今も抱える葛藤を伝える。

【特集ページ】阪神・淡路大震災

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