日常の摂取全食品中 (5日間程度) の
137Csの簡単な定量法について検討した。灰化試料に担体を加えてから塩酸で浸出し, 溶液中のカルシウムを炭酸塩として分離する。ロ液を硝酸酸性にし, リン酸とモリブデン酸アンモニウム溶液を加えてリンモリブデン酸アンモニウムの沈殿を生成させ, これに
137Csを共沈させる。この沈殿についてγ-スペクトロメトリーを行ない,
137Csの量を求める。セシウムの共沈操作のときの温度, リン酸添加量, 硝酸添加量, モリブデン酸アンモニウム添加量などと
137Csの共沈率の関係を明らかにし, 共沈に及ぼすカリウムとアンモニウムの妨害について検討した。この結果, 試料中に存在するカリウム, アンモニウムおよびリン酸塩はセシウムの共沈を妨害せず, 共存する
95Zr-
95Nb,
106Ru-
106Rhの混入も少ないことが示された。また, この方法による
137Csの収率は定量的であった。
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