今日、コンピュータ活用能力の獲得が教育の現場で重要視されている。表現分野では、こうした能力を獲得することで、デジタルメディアの特性を活かした表現──コンピュテーショナルな表現を模索することが容易になる。表現の媒体としてプログラミングをとりいれることは一般的になり、コンピュテーショナルな表現を探求するクリエイティブ・コーディングの実践も盛んだ。多くの教育機関が、アート・デザイン系のカリキュラムにプログラミングの演習を組み込んでいる。アート・デザイン分野でのプログラミング教育は、情報科学分野のカリキュラムとはことなる視点で発達している。
筆者は
東京都立大学
システムデザイン学部でWebデザインやデータ可視化デザインの演習科目を担当している。これらの演習科目の受講生有志とテック・ジンを制作し、
2020
年に2点発行した。本稿ではジン制作の実践の概要と実践で得られた知見を報告する。
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