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クエリ検索: "新宿情報ビジネス専門学校"
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  • ―Wolf Motor Function Testを課題として用いて―
    倉山 太一, 山口 智史, 大高 洋平, 田辺 茂雄, 大須 理英子, 坂田 祥子, 小宮 全, 須賀 晴彦, 影原 彰人, 清水 栄司
    理学療法学Supplement
    2009年 2008 巻 P2-151
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/25
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに】脳卒中片麻痺をはじめとする上肢機能回復のリハアプローチでは異なる難易度の課題を患者の状態にあわせて適切に行わせることで効果があることが知られている.一方で、実際のリハ場面と同様の設定を用いて異なる難易度の課題を施行する際の脳皮質活動の検討を行った報告は少ない.そこで今回我々はCI療法の治療効果判定に使用される標準的な上肢機能評価であるWolf motor function test(WMFT)の17項目のうち、難易度の異なる3課題を選択し、健常者を対象としてWMFT課題実施中および運動イメージ中の大脳皮質活動を近赤外分光法による血流量変化により測定し、課題ごとの皮質活動の違いについて検討した.【方法】本研究は東京湾岸リハビリテーション病院倫理委員会の承認を得て行われた.対象者は事前説明を行い同意を得た健常成人10名(全員右利き)とした.計測は近赤外分光装置FOIRE-3000(島津製作所製)を用い、計測部位は上肢一次運動野(M1)と感覚野(S1),および補足運動野(SMA)とした.測定用プローブはCzを中心に各3cm間隔で28カ所配置し、酸素化ヘモグロビンの変化をサンプリング周期220msecで記録した.M1は、経頭蓋磁気刺激により同定した.運動課題はとしてWMFTのうち3課題(1)手を膝から前方のテーブルへ置く、(2)テーブルの上の缶を持ち上げる、(3)テーブルの上の鉛筆を母指と示指で持ち上げる、を採用し、それぞれ実際の運動と運動イメージを行った.安静15秒間-課題30秒間-安静15秒間を1セットとし、5セット施行した.課題の運動速度は、統一性を保つためメトロノームの音に合わせて1動作を1秒で行った.また課題難易度を上げるため、課題は全員左手において実施した.解析は、1)課題間の比較、2)運動と運動イメージでの比較、および3)M1およびS1の左右差について課題毎に検討した.1)は反復分散分析を用い、2)と3)についてはpaired t検定を用いて統計的解析を行った.有意水準は5%とした.
    【結果】運動課題における違いはM1、S1とも違いはなくSMAでは課題難易度が高くなると血流量が上昇する傾向がみられたがいずれも統計的有意差は認めなかった.運動と運動イメージによるM1、S1、SMAでの血流量の有意差は認められなかった.左右差については全ての課題を通じて課題遂行時には右M1の血流量が左に比べ有意に増加した.
    【考察】M1においては運動時の左右差は明らかであったが、課題間での血流量の違いを検出できなかった.これは、今回選択した課題間の筋活動量の差異が大きくなかったことが考えられる.一方、SMAの活動は課題難易度の高くなるにつれて上昇する傾向にあったことから、難易度の違いは主にSMAに現れている可能性が示唆された.今回の測定データを基礎として、今後脳卒中患者においてCI療法前後でのWMFT施行中の皮質活動を測定するなど行い、治療効果と皮質活動の関連性について検討していきたい.
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