酒類業界は, 生産者から業者に至るまで, 自由化の大きな流れに巻き込まれつつある。今回, 特に酒類の流通の自由化に対してどのような態度で対処したらよいかについて, 基本的な考え方を筆者に示していただいた。

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家族, 衣食住, および生活情報環境に関する消費生活環境諸指標の類似度を手掛かりとして, 東京都内の64地域をクラスター分析した結果, 以下の知見が得られた.
(1) 64地域は大別して, 5クラスターに分類された.
(2) クラスタリングには, 東京都の中心部からの物理的距離や各クラスターの位置関係が関与している傾向が認められた.
(3) また, 地域の消費生活の便益を評価するのには「個人収入」, 「クリーニング店数」, 「織物・衣服・身の回り品り店数」, 「男子服り店数」, 「婦人・子供服り店数」, 「その他の織物・衣服・身の回り品り店数」, 「靴・履物り店数」, 「かばん・袋物り店数」, 「化粧品り店数」, 「喫茶店数」, 「料理品り店数」, 「鮮魚り店数」, 「野菜・果実り店数」, 「牛乳り店数」, 「菓子・パンり店数」, 「茶り店数」, 「陶磁器・ガラス器り店数」, 「金物・荒物り店数」, 「百貨店数」, 「新聞り店数」などは, 消費生活環境の地域勾配を考えるにあたって感受性の高い指標であった.
(4) 食生活に関連した指標である「食堂数」, 「飲食料品り店数」, 「米穀類り店数」, 「酒・調味料り店数」, 「たばこり店数」および「その他の各種商品り店数」は島嶼部をはじめとする東京都の最外縁部に位置する地域の消費生活環境の特徴を評価するにあたって感受性の高い指標であることが推察された.
(5) 以上の結果から, 我が国の一典型地域である東京都において各地域間の格差が極めて明らかであり, それはまた千代田区を核として同心円状に層化されているということが明らかとなった.

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清酒の販売の大部分は店を通じて行なわれているが, その店も変化しつつある。店へ酒を入れれば販売部の仕事は終りというのではなく, さらに店がいかにその酒を売るかまでが販売部の仕事で, そのため中小清酒メーカーが変化しつつある店に対して, どのような手段をとるべきかが解説されている。

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伝統的なEOQモデルは業者の資本が無制限で, 商品を受け取ると直ちに代金を支払う.しかし, 現実では供給業者は業者に対して, ある支払期間を提供する.我々はこの期間を企業間信用期間と呼ぶ.すなわち, 業者はその期間中に商品を販売し, 現金を回収し, その現金を有効利用 (例えば, 投資, 預金など) するのが一般的である.従来の企業間信用取引に関する最適化問題 [1-4] では, 供給業者と業者との間に企業間信用取引を与えていたが, 業者と顧客との間ではその取引は行われていない.本論文では, 業者と顧客に対する信用取引をも考慮し, そのときの業者の最適化問題を発展させることに目的をおいて定式化を行う.但し, 供給業者により提供される信用期間Mは, 業者により提供される顧客の信用期間Nよりも長いと仮定している (M≧N).ここでの問題は, 供給業者はn人の業者とパートナー関係になっており, 各業者に提供するサイクル時間の合計には制約があると仮定している (T0以下).つまり, 全ての業者にかかる総費用を最小に抑えるためには, 制約条件を考慮しながら各業者に対してどのようにサイクル時間を提供すればよいかという問題を考察している.さらに, ここでの問題を具体的に説明するために数値例を示す.

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本稿は業態論の既存研究において想定されているいくつかの前提を再考し、業態論の新たな発展可能性を見出すことを目的としている。既存の業態を考察する意義、その中心課題となる事柄、業態を規定するミックスや商品取扱い技術といったさまざまなテーマを議論してきており・その研究蓄積も多数存在する。しかしながら、それらの研究においては、わが国における荒川 (1962) 、欧米における McNair (1958) といった業態論の嚆矢とも言える研究において想定されてきた「商における競争過程を分析するための概念である」という前提がほとんど問われることなく発展してきたように思われる。
本稿では、これまでの商の競争過程を眺めようとしてきたのに対して、以下の3つの結論を導いている。それは第1に、業態とは一旦規定された後にも、いかようにも変容する可能性をもっているという結論である。この結論は次の結論を導くものである。すなわち第2に、商どうしの「差」こそが業態に他ならないという結論である。さらに第3に、この「差」を規定する要素には価格や品揃え、販売方式、営業時間、店舗特性、など多岐にわたるものがあるが、何が業態間の「差」を規定できるのかは競争を通して事後的に判断されるという結論である。その上で、このように「差」としての業態という概念から、今後議論されるべきテーマとして、特定の業態分析を挙げている。

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市場は地域住民の食料品の購入先として日常生活に欠かせない商業施設であったが，流通業近代化や 1990 年代の規制緩和などによって，新たな商業施設の立地や新たな業態の誕生に対応できずに，業者の多くは廃業することになった．その結果，市場内に多くの空き店舗が発生し，市場は衰退した．市場内の空き店舗は長期間使用されなくなり，老朽化して危険な状態になっている．市場の店舗は棟続きで建てられているために，市場通路は薄暗く，老朽化した市場では通路の天井に穴が空くなど，防犯・防災上も危険な状態となっている．研究対象とした尼崎市の市場では，これまで火災が発生すれば全焼し，近隣住宅にも延焼していた．

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本研究の目的は, 商業学の分野で研究蓄積が多い, 業の空間構造に関するマクロスケール研究を対象として, 日本におけるその実証的研究の動向をまとめ, さらに, それを地理学的観点から研究する際の課題と, ミクロスケール研究に適用できる可能性を論じる.マクロスケールにおける業の空間構造の研究では, 購買力に関して自足的地域が, 研究の単位地区となる.マクロスケールにおける業の空間構造研究は, 基本的に構造を規定し, 成果を規定するとの認識に立脚して, 構造の形成メカニズムを解明することと, その評価をすることが主体である.この種の研究は次のように, 三つの研究分野に区分できる.1)構造の国際比較を行う研究, 2)日本国内の構造の地域的差異を明らかにする研究, および3)構造の地域的差異を規定する要因を解明する研究である.マクロスケールの研究を地理学に適用する際の課題として, 1)構造の比較研究を発展させること, 2)自足的地域のスケール問題を解決することがあげられる.次に, マクロスケールで得られた知見のうち, ミクロスケールで適用できる点として, 次のことがあげられる.1)構造の多様な側面を総合的に考察すること, 2)構造の形成要因を解明すること, 3)環境, 成果間の概念的枠組みを構築すること, 4)成果の概念を適用することにより, 業の空間構造や近代化事業を評価することである.

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我々はKarata[3]の発展研究として，新たな同種の

店の近くに店舗を構えることを考慮したモデルを構築する．このとき，敵対的な価格競争で，店が共に疲弊するのではなく，共存するため競争相手同士がどのような戦略的な意思決定を行うべきか，高品質志向の既存店の2店舗間のコーディネーションの分析を行う．その結果から，コーディネーションによる両店の利益が各々の店が独立して自分自身の利益獲得よりも多く得る条件を導く．さらに，我々は提案モデルを数値実験から考察する．本研究では，新たな同種の店の新規参入したとき，異なったサービス品質を持つ顧客タイプを考慮しつつ，従来からある店の利益をあらかじめ確保する条件の下で，2つの店の利益を増加させるコーディネーションを数値実験から確認し，理論との整合性を図る．

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現在の

企業間の競争が激化する市場においては，企業のブランド化の重要性の高まりが見られる。消費者が店内で行う買い物行動について経験価値という視点で捉えた場合，店内の環境要因（アトモスフェリクス）の影響は大きい。本稿では，こうした店内における環境要因の重要性について考察するために，先行研究を整理した上で，企業がより良い経験価値を提供するための空間デザインについて，有意義な視点を導き出す。

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近年、各国の大手企業は積極的に海外進出し、企業間の競争は世界中で行われている。日本の企業の海外進出と関連しては、日本本国で築いた優位性を如何に海外に移転するのかが重要な研究テーマになる。企業が海外に移転するのは各技術の集合体、いわゆる経営システムである。その際、日本と欧米の企業の経営システムには顕著な違いがあるため、日本的システムの視点により分析する必要がある。しかし、技術の国際化に関する研究において、日本的システムの視点による研究はほとんど見受けられないのが現状である。陳(2013a、b)が「日本的システム」、「日本的システム国際移転モデル」の構築を試みているが、具体的な事例の考察までには至っていない。本論文では、陳(2013b)の「日本的システム国際移転モデル」の改良版をツールにし、成都イトーヨーカドーにおけるシステムの国際移転状況を考察する。その目的は、日本的システムの国際移転状況を体系的に測定することによって、日本的システムの構成要素のどの部分が移転され、どの部分が調整されているのか、海外の異なる経営環境で順調に機能しているのかを明らかにするためである。成都イトーヨーカドーにおける日本的システムの移転状況を考察した結果、以下のようなことを明らかにすることができた。「完全移転」、「部分移転」に属する項目がそれぞれ半分ずつで、なお「部分移転」の12個の項目は受動的な部分移転と、能動的な部分移転に分けることができる。それは、現地環境が障害として作用した項目とイトーヨーカドーが戦略的に移転を部分的に行った項目があることを意味している。受動的な部分移転はシステムにマイナスの影響をもたらし、能動的な部分移転はそれを補完している。これらのことから、日本の企業が海外に進出する際に、「完全移転」に属する各項目を徹底的に実行すると同時に、障害になっている「部分移転」に属する各項目の調整および教育制度の完備に注意する必要があるという示唆が得られる。本論で用いた「日本的システム国際移転モデル」の特徴は、親会社にみられるシステムの諸要素が現地子会社にどの程度持ち込まれているかを体系的に明らかにしたところである。今後、研究の深化につれて、フレームワークの完善や評価基準の修正などの課題が残されている。

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