沖縄県石垣島, 宮崎地区および福岡地区における
医療従事者
3,083例について, HBs抗原, 抗体およびHBe抗原を測定し, それぞれの地区における一般住民と比較検討した.
HBs抗原陽性率については, 石垣島では, 医療従事老は7.0%, 一般住民は7.6%であった.宮崎地区では,
医療従事者
は3.2%, 一般住民は2.9%であり, 福岡地区では,
医療従事者
は3.4%, 一般住民は3.2%であった.石垣島では, 一般住民の方がむしろ
医療従事者
に比べて高率であり, 宮崎および福岡地区では
医療従事者
の方が高率であったがその差はわずかであった.
HBs抗体については, 三地区とも
医療従事者
の方が高率であったが, その差は石垣島で3.3%, 宮崎および福岡地区は, それぞれ1.9%および5.6%でありわずかであった.
HBs抗原か抗体を保有する浸淫率については, HBs抗体と同様に, 三地区とも
医療従事者
の方が高率であったが, その差はわずかであった.
職種別の浸淫率は, 看護婦, 放射線技師, 検査技師の順に高かったが, 充分に職歴の調査のできた834例の看護婦では, 外科系が31.8%と内科系の23.8%より高く, 加齢と共に上昇する率も高かった.
医療従事者
と一般住民との差がわずかであり, 海外の成績と異なっていたが, 医療機関に従事する年代で, すでにかなりHBVに暴露されているためと考えられる.
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