海を隔てた全く新しい地域に於ける開発計画は物資及び人の輪送機能を確保する所から始まる。当時の
北海道
の開発を支えた交通は, 第一は対本州との連絡に関する交通であり他の一つは道内各地を結ぶ交通である。この道内各地を結ぶ交通機能は道内拠点間交通と拠点内交通に分けて考えることが出来る。本研究もこのような点からその実態を明らかにした。陸上交通は鉄道と道路によりなされるが, 鉄道については前回の発表結果をそのまま引用した。従って明治開拓期に於ける本道交通の分析の視点は以下の点にまとめることができる。
(1) 対本州間の海上交通について海上航路及び陸上交通との結節点である港湾施設の機能
(2) 道内拠点間交通について当時の道路施設としての輸送力
(3)
北海道
の開発拠点となった札幌の拠点内交通について
今日の発展を見るに至った新開拓拠点札幌に於ける交通の量と質
今回は主に札幌を中心とした陸上交通について考察したものである。
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